脚本コンクールで受賞するまで 受賞してから
胡麻尻亜紀さん(作家集団)の『15歳の総理大臣』が、伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2018短編の部で大賞を受賞されました。
この朗報を聞いて、「いいなぁ。自分は落ちてばっかり…」と感じてしまうかたもいるのでは?
そう思うのはアナタだけじゃありません。脚本コンクールで受賞された大半のかたが、受賞するまでに同じような想いをされています。
胡麻尻さんも「実は、“伊参”直前の他のコンクールで落選し、涙を流しました…」と仰っています。
こういった経験を乗り越えて、今回見事受賞された胡麻尻さんにコメントをいただきましたのでご紹介いたします。
なお、伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞の大賞受賞作品(中編・短編 各1本)は、群馬県中之条町周辺で映像化し、翌年の映画祭で初公開されます。そのため、胡麻尻さんは現在、“胡麻尻監督”として撮影準備に取り掛かっています。
伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞に応募しようと考えているかたは、“受賞後の心構え”としても、胡麻尻さんのコメントが参考になりますよ。
「たとえ辛いことでも、人生で経験することに無駄はないと信じて書き続ける」
――受賞のご感想
〇胡麻尻さん:伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞はHP上で一次~三次まで順に発表があります。一次通過して「よしよし」二次通過で「おっ!」三次通過は「マジか!」でした(笑)。
そして最終発表は群馬県中之条町まで行かなければ聞くことができません。事前に何も知らされていないので、上野駅からゼミ仲間と往きの列車の中でぷしゅっ(ビール)と半分旅行気分で受賞式に向かいました。
入賞者の発表が終わり、自分の名前は呼ばれなかったので、がっかりしていたところに、まさかの大賞。登壇した時には「やった!」と「ヤバい…」が同時にやってきました。
そして、帰りの列車には往きとは違う私が乗っていました。胡麻尻監督が誕生してしまったのです。
――受賞作『15歳の総理大臣』を書こうと思ったキッカケや作品に込めた想い
〇胡麻尻さん:以前から女性が活躍する話を書きたいと思っていました。女性の大臣はいますし、都知事も女性ですが、もっと時代の先取りをして、もしも総理が女性だったらと考えました。
日本初の女性総理が40歳でママ、しかもその娘は思春期でラップでしか会話をしない。普遍的なテーマである「母娘の対立」をなにか新しいもので表現できないかと考えたのが、ラップバトルでした。
審査員の方々に、「へえ、こう来たか!」という驚きを感じていただきたかった。
――執筆中、特に意識したこと
〇胡麻尻さん:15歳の娘の気持ち、40歳のママ総理の気持ち、両者に共感できるように意識しました。
ラップはド素人なので、深夜にやっているラップバトル番組を見て研究し、韻を踏む(ライム)勉強もしました。執筆中はラップで頭がいっぱいになってしまい、家でも常にラップを使っていたので、家人にうざがられました(笑)。
――撮影への意気込み
〇胡麻尻さん:初めての監督業で右も左もわからずあたふたしていましたが、伊参関係者の方々や、仲間に助けられて何とか一歩ずつ前に進んでいるところです。幸運にも人生で映画監督になる機会に恵まれたことに感謝しつつ、この映画制作の時間を楽しみたいと思います。
どんな映画になるのか、私にも想像できません。最初から上手くいく人なんかいないと割り切って、スタッフやキャストと力を合わせて作り上げていきたいと思います。
今後はfacebook、Twitter、などで告知していくとともに、クラウドファンディングも考えておりますので、ご興味のある方は『15歳の総理大臣』を一緒に盛り上げていただけたら嬉しいです。
――コンクール受賞を目指す“ゼミ仲間”に向けてメッセージ
〇胡麻尻さん:ゼミの先生はいつも「人間万事塞翁が馬」とおっしゃっています。人の幸不幸は予期できず、何が禍福に転じるかはわからなということです。
私も伊参直前のコンクールで落選し、涙を流しました。たとえ辛いことでも、人生で経験することに無駄はないと信じて書き続けることだと思います。
※公募のシナリオコンクールにも是非チャレンジ!
こちらのブログ「主なシナリオ公募コンクール・脚本賞一覧」をご覧ください。