シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。6月になっちゃいました。今年も半分になってしまいました。いやいや、昨日新年おめでとうございますって言ったはずなのに、今日は半袖着てアイス食べている自分がいます。(笑)もう、はやすぎっ!!毎日やりたいことやらなければ、あっという間に時間が・・・。こわっ!!人生は短い。
2007年すばる文学賞を受賞されて、作家デビュー。純文学というシナリオ・センター出身とは思えない方向からデビューされたのですが、その前に創作ラジオドラマ大賞も受賞されたシナリオ的にも実力派です。なので、純文学だけれどエンタテイメント性の高さが評判という素敵な作品をたくさん書かれています。
さて、どなたでしょ?
答えは、原田ひ香さんです。
今月「三人屋」(実業乃日本社刊)が出版されました。
原田さんは、私の大好きな小説家さんです。
彼女の作品は、いつも設定は奇抜なのですが、温かい、人間性の高い内容なのです。
ああ、人はこうして生きているのだなと、こうした生き方もあるのだなあとしみじみと思わされます。
この「三人屋」の設定がまず面白い。
三人姉妹が、両親が遺した喫茶店を使って、朝は三女がモーニングが美味しい喫茶店、昼は次女が絶品のうどん屋、夜は長女がご飯がおいしいスナックと、時間帯が変わるたびに経営者もお店そのものの内容も変わるというちょっとわけありのお店をやっています。
サクサクのトースト、すだち香るぶっかけうどん、炊き立ての白飯・・・三姉妹の個性は食べ物にも、接待にも。だけど、なんで三姉妹が別々のことをしているの?
この変わった設定に、町の人たちが絡んで、驚く展開が生まれます。
三姉妹のキャラクターと三姉妹に関わってしまう大輔のキャラクター、この店に関わる商店街の人々、原田さんの独特な絶妙なバランスがすごい。
このお話しって、ドラマにしたらメチャクチャいい感じにできると思います。
主人公が三姉妹というのもテレビ的だし、商店街のおじさんおばさん、幼馴染、三姉妹の秘密と、商店街と人たちとのかかわり合い、ちょっとミステリアスな心温まるいいドラマになると思うのです。
脚本も原田さんに書いてもらいたいな。
是非ご一読ください。小説もドラマもどうみせたら、どう読ませたら感動させられるか、面白くできるのか、勉強になります。とはいえ、まずは楽しんで読んでください。絶対に楽しい。