しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。
■ヒーローだって、意見が合わない
シナリオの面白いところは、何と言っても、いろんな考え方のキャラクターに思い思いの事を言わせること、行動させることができることです。
出身ライターの小林靖子さんといえば、戦隊ものやヒーローものの脚本家として、多くの支持を集めている方ですが、その小林靖子さんが以前「Theミソ帳倶楽部 達人の根っこ」のゲストでお越しになった時に、こんなことを言っていました。「戦隊もので、同じヒーローといえども、『敵をやっつけるぞ』と言って、みんなが『おぉー!!』というのは、気持ちが悪い」と言っていました。
つまり、レッドにはレッドの、ブラックにはブラックの考え方や感じ方があって、それを大切にしないと面白くないし、ドラマに大切な葛藤も対立も生まれないということです。
■それぞれが違うから面白い
十人十色といいますが、それぞれ異なるから、ドラマは面白いのです。そしてそれは、私たちの毎日も同じです。みんな一緒の考え方というのは、一見、話も通り易くて良さそうですが、反面、みんなで間違えちゃう可能性もあります。「いろんな考え方があっていいよね」というのが、それとなく押さえつけられてしまうと、息苦しさを感じるものです。しかもそれが、自分の生き死にや大切なものに対する姿勢だとしたら、なおさらです。
同じ経験を通しても、どう感じるのか、何をするのか、それはそれぞれだと思います。「こうしないから、ダメ」とか「こうしているから、ダメ」とかそういうことではないのだと思います。みんなが違うからこそ、「ではどうしようか?」とそれぞれの立場や考えを尊重しながら考え、伝えるということが大切なのではないかと思います。
3.11から3年目を迎えた今日、そんなことを思いました。シナリオは、様々なキャラクターの気持ちになって想像することです。シナリオ・センターはシナリオ・センターがしたら良いと思うことを、スタッフと相談しながら考え続けていきたいと思います。