シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。8月6日、広島の原爆記念日です。70年前、広島に原爆が落とされた日です。
宇宙から広島を語った野口宇宙飛行士
1875年統計開始後、最長の連続猛暑の中で、70年を迎える今年、広島の平和式典には、海外から100ヶ国、EU代表部の方々、アメリカからは駐日大使と初めて国際安全保障担当の国務次官が参列されました。
海外の方々がたくさん参加してくださることは、とても大事なことだと思います。
世界中の方々に、原爆の恐ろしさや悲惨さを知っていただくことで、平和への核廃絶への道が拓いていくはずですから。
年々風化してくる中で、被爆者の平均年齢も80歳を超え、今もなお、病に苦しんでいる方、また被爆者ゆえに、その子供や孫ゆえに不当な非難や迫害を受けていらっしゃいます。
世界中に15000発の核兵器があり、安保法案をごり押ししようとしている首相からの通り一遍の哀悼の意は、心に響かず、被爆者の方々の誰をも安心させられるものではなかったと思います。
先日来、戦争に行きたくないというのは利己的だ発言に、大きな波紋を呼んでいますが、彼らは広島、長崎を見て、被爆者の方をみて、何も感じられない、想像することもできないのでしょうか。
他人の痛みは、決して自分の痛みとは成り得ませんが、他人の痛みを想像できない、少なくとも他人の痛みを感じようとしない人に権力の座に着いて欲しくないです。
私たちは、人間は、残念ながら動物や植物の命をもらって生きています。
だからこそ、常に誰かの、なにかの犠牲の上で生きていることを、人としてどこかで感じていなくてはいけないと思うのです。
100%聖人も悪人もいません。
私たちのしていることや考えていることに正解はありません。ゼッタイはありえないのです。
私の正解が、あなたの正解ではないことは当たり前のことなのです。
正解がないということを、頭の、心のどこかで押さえておきながら、他人の痛みを想像できる心を持ち、多くの人が幸せになれる道を探していくことが大切なのではないかと私は思っています。
でも、唯一断定できる正解、ゼッタイはひとつだけあります。命。
「命どぅ宝」沖縄のこの言葉を、常に持ち続けていたい。
9日は長崎の原爆記念日、15日は終戦記念日。
私自身、右でも左でもなく、イデオロギーがあるわけもないただおばさんでしかありませんが、たくさんの犠牲者の、たくさんの悲しみや苦しみの上に成り立っている今を、この時代をどう生きるべきか、戦後70年という節目だからということだけでなく、常に人としての生き方を模索していきたいと願っています。