シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。ここ数日の天候は、日本中が荒れ模様ですね。天候も社会も経済も荒れ模様ですが、ドラマチックもほどほどにというところでしょうか。(笑)
鈴木光司さんが小説「樹海」(文藝春秋社刊)に次いで、「強い男を求めなさい、いなけりゃあなたが育てなさい!」(メディアコミュニケーション刊)を出されました。
まさにマッチョな鈴木さんらしいタイトルなのですが、間違ってはいけないのは、女性たちに強い男に依存しろ!いう話では、まったくないのです。
まえがきに「『自由』と『男らしさ』を求めるたびに駆り立ててくれたのは母であり、その動きを『頼りになる』『かっこいい』と認めてくれたのは妻とふたりの娘たちです。いつの世も、カギを握っているのは、女性たちです。男は女性の要請に応じて、生き様をいかようにも変えていくものです。女性たちよ、強い男を求めなさい。いなければ、あなたが育ててください。きちんと求めてくれないと、そのうち、男はいなくなってしまいます」と書いていらっしゃいます。
女性の性が生物学上安定しているのに比べ、男性という性は歴史も浅く不安定なので、すぐ女性の性に戻ろうとして男になろうとしなければ男でいられないのだそうです。
なるほどと思いました。確かにそうです。オネエが増えたということではありませんよ。(笑)
「女々しい」という言葉があります。意味は柔弱である・いくじがない・未練がましい。反対に「雄々しい」という言葉もあります。意味は、男らしい・いさましい。
常々、私は「女」「女」と書いて、よわっちい奴の代名詞みたいに使うことに腹を立てておりました。「男々しい」と書け!と思っていたんです。
でも、鈴木さんのご本を読ませていただいて納得しました。
「女々しい」と書かなければ、「雄々しい」と言わなければ、男という性を意識できなかったんですね。じゃあ、しょうがない。許してあげましょう。(笑)
「女性はまんべんなく強いので、わざわざ強くなれという必要はないのです。
その点、男性は違います。男性は強さに差があり過ぎて、放っておくと力がしぼんでしまいます。ぼく自身男だからわかるのですが、さぼっていいと言われると男は徹底的にさぼってしまう生き物なのです。反面、一旦崇高な使命が与えられるや、大樹にも登らんとする集中力を備えている。だからこそ、若い男性に対して『君たちは世の中を向上させる活力も資格もある。社会を引っ張り上げろ』いい、叱咤激励し続けなくてはなりません。」と鈴木さんは教えてくださいます。
世の女性たちよ。か弱い男性たちのために一肌脱ごうではありませんか。
女性の私たちが、暮らしやすい動きやすい社会にするために、男性を上手に木に登らせてあげましょう。(笑)