menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター
背のびしてしゃれおつ

スタッフが行く、表参道スポット
背のびしてしゃれおつ

しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

大前講師に聞く!【講師突撃インタビュー!作家集団・大前講師編・後篇】

シナリオ・センターの新井です。
昨年から不定期にUPしている
突撃インタビュー。第7回目は、シナリオ・センターで作家集団を担当されている大前講師です。作家集団は、シナリオ・センターの全教習課程が修了した方が、デビューまで腕を磨くクラスです。ライターズバンクに登録する資格もあります。
後編では、モチベーションの維持、ゼミの雰囲気などもお話頂きました。後編もお楽しみください。
前篇はこちらから

 

私など、映画は「風と共に去りぬ」しか見たことがなかったし、シナリオというものを全く知らないで、センターに入りました。初めて見た200字詰めの原稿用紙を横書きにして、後藤所長に「あなたで二人目です」と言われたり(笑)。

 

20150905a

 

新井

「自分が書きたいもの」よりも「◯◯のコンクール用だから」という風な出発点から書く人って意外に多いですよね。
それが悪い訳じゃあないんですけど、なんだか受験対策みたいで…。

大前

 

目標を定めて書くことは、モチベーションを上げるために大事だと思います。
でも、このコンクールは「こういう傾向の作品が向いている」とか、「こうでないと受賞しない」とか、しばしば無責任な噂が流れます。それに惑わされず自分が書きたいもの、自分が面白いと思うものを書くのが良いと思います。

審査員は傾向とかでなく面白い作品を求めているのですから。「自分がどんなものに感動して、腹が立って、涙するんだろう」と考えることで自分が本当に書きたいものが見えてくるものです。

 

新井

 

それに「自分にも意外にこんな一面があるんだな」と思ったりして、意識してこなかった自分の性格が分かったりますよね。

 

大前

はい。
例えば、私はいざ何かを書こうとすると、掃除に走っちゃうんです(笑)。これは、女性ではほとんどの方が経験していると思います。

新井

 

書けないあるある、ですね(笑)。
いつも掃除していないところが妙に気になったりして。

 

大前

 

基本的に辛いから逃げたいんですね。
でも私は「出来ない、駄目だった、間に合わなかった」は言いたくない性格なんです。
ライターだった時はまだ一行も書けていないのに「出来ました」と電話でプロデューサーに言ってましたね。
電話を切った後に必死で考えるんです。

 

新井 

そうですけど…凄いプレッシャーじゃないですか(笑)

大前

 

でも、掃除どころじゃないでしょう(笑)。
追いつめられて、脳は初めて100%働きます。これは私の性格が分かった上での方法です。
要は自分と向き合うと自分にあった書き方や表現が見つかるんです。

 

新井

「書きたいこと」はそれぞれあるはずですもんね。
それに自分が分かっているとある程度、どうしたら良いのか、指針になりますね。

大前

 

はい。
あとは「作家」集団なんだから、とにかく書いて、どんな小さなチャンスでも挑んでほしいです。
作家集団にいるだけでは、いつまでも作家になれないんですから。

 

新井

それは作家のさっかくですよね。…失礼しました(笑)

大前

 

(笑)

 

20150905b
新井

真面目な話、書かないと作家にはなれないんですよね。
じゃないと、ただの批評家になってしまう。 

大前

 

批評も時には必要なんですよ。他の人の作品に対する自分なりの意見は持ってほしいですし、言ってほ
しいです。でも、世に出ていく人たちは、とにかく書きますね。

 

新井

出身ライターを見ているとホントにそう思います。
生徒の頃から、課題だけじゃなくてコンクールもどんどん書きます。
その分、落選も沢山しているんでしょうけど、折れない。

大前

 

いちいち、落ち込んでいても仕方がない。
でも、ただ書けばよいってものでもない。
私のクラスではS1グランプリの一次を通らなかった人は辞めてもらうって言っているんです。
「え? クラスにいられないんですか?」って言われますけど。
「いられないよ」って言います。半分冗談ですけど、「そのくらい真剣に出しなさい」と。

※ S1グランプリ:シナリオセンター主催のシナリオのコンクール。毎年2回開催。

 

新井

それは流石に落ちることを考えると怖いなぁ…。

大前

 

でも、それくらいの覚悟を持ってコンクールに応募して欲しいですし、「そんなことくらいで怖じ気づいてちゃダメ」という叱咤でもあるんです。

 

新井

 

確かに作家集団にいるからにはある程度の自負と覚悟を持ってほしいです。

 

大前

 

私など、映画は「風と共に去りぬ」しか見たことがなかったし、シナリオというものを全く知らないで、センターに入りました。初めて見た200字詰めの原稿用紙を横書きにして、後藤所長に「あなたで二人目です」と言われたり(笑)。

 

新井

(笑)。本当に全く知らなかったんですね。

大前

 

そんな私でも、「絶対にプロになる」という気持ちだけでデビューしましたから。

 

新井

 

気持ちが全てってわけじゃないですけど、大事ですよね。
最後に大前さんのクラスでは何をモットーにしているか聞いても良いですか?

 

大前

 

私は折角シナリオを学ばれている皆さんに「何とかプロになって頂きたい」、そのことだけを願っています。
作家集団ですから、今までのクラスよりも厳しい部分があると思います。
でも絶対にひいきなしに、作品をよりよくするためにアドバイスしているつもりです。
あっ、若いイケメンにはちょっと甘いかも(笑)。

 

新井

 

このタイミングでおバカな話ですか(笑)。
急にボケないでくださいよ。
今回伺った話って厳しい話も多かったと思うんですが、大前さんのクラスはホント、“和気あいあい”としていますよね。

 

大前  

仲間と手を取り合って、みんなでデビューというのが、クラスのモットーです。
でも書くことは苦しいですし、甘いものではありません。
なので、ゼミに行くのが楽しい、仲間に会うのが嬉しい、そういう雰囲気作りも全員で心がけています。
私もクラス全体のモチベーションを維持しつつ、個人個人の目標をフォローするようにしているつもりです。

 

書き続けることが、プロになるための最低限の条件です。でも、それって簡単そうで、やっぱり難しいことです。好きなことでも。いや好きなことだからかもしれません。
だからこそ、モチベーションを保てる環境と仲間が必要なのだと思います。大前講師と話していて、ゼミだからがんばり続けることができる部分は大いにあると思いました。
 

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ