しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。
シナリオ・センターの新井です。
昨年から不定期にUPしている突撃インタビュー。第8回目の後編をお送りします。前篇はこちらから
ゲストは、125期シナリオ作家養成講座の講師を担当する柏田講師です。「武士の家計簿」や「武士の献立」の映画の脚本や、12/4(金)、5(土)に放送のBS朝日開局15周年記念大型時代劇スペシャル「大江戸事件帳~美味でそうろう~」の原作・脚本など、活躍中の講師でもあります。
後編は、柏田流の創作時間の確保術も取り上げます。それから、メディア多様化時代に、シナリオの基礎がどう役に立つのかも触れてもらっていますよ。
もちろん、影響はあるでしょうけど、ドラマを作るという基本の部分は変わりませんからね。 シナリオの“基礎技術”を身につけていれば、多種多様になってきているメディアにも対応できると思いますよ。 “ドラマの描き方や、物語性や人を感動させること”自体はけっして変わらないから。 |
新井 | よく受講を迷っている方や、ゼミの受講生の方がおっしゃるのが、忙しくて、創作する時間が作れないという悩みなんです。そういう方って多いと思うんです。 柏田さんはシナリオ・センターの作家集団クラスを受け持ち、いろんな連載をもちながらも、映画やテレビドラマの脚本も小説も書いて、さらにこれから作家養成講座も担当するという…ものすごく兼業されているじゃないですか。 |
柏田 |
まず、「何を優先するのか」という問題がありますよね。自分の場合は仕事ですからね。
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新井 |
やっぱり、「働いている時以外をどう使うか」が大事なんですね。
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柏田 | そう。時間を割くといっても、毎日何時間も・・・とかではなく。 |
新井 |
そういう隙間の時間でいいんですね。 でも、電車の中で、なかなか集中出来なくないですか?
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柏田 |
別に集中する必要はないですよ。
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新井 | 確かにそうやって、工夫して、生活のサイクルに創作する時間を取り入れられると、効率は良くなりますよね。 |
柏田 |
毎日6、7時間くらい、しっかりと睡眠時間は確保してますね。
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新井 | 寝る前にホラーを見る…なんか寝れなくなりそう(笑)。 |
柏田 |
(笑)そうね。
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新井 | ものすごい“ながら”ですね(笑)。 |
新井 |
最近は視聴形態も多様化しているから、色んなことがさらに“ながら”で出来きるじゃないですか。 そう考えると、いろんなことを“ながら”している柏田さんは最先端のかもしれません(笑)。
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柏田 |
そうなのかな、よく分からないけど(笑)
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新井 | (笑)。 |
柏田 |
もちろん、影響はあるでしょうけど、ドラマを作るという基本の部分は変わりませんからね。
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新井 | そうか。メディアが変わっても、人が感動するポイントが変わるわけではないですもんね。
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柏田 |
そこは、やはり変わらないですよ。だから、基礎が大切。
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新井 | 基礎が分かって、「どう書けば良いのか?」分かると、正しく迷うことができるようになりますよね。 |
柏田 |
我流だと“独りよがり”になりがちですから。 そういう大天才は別にして、まずは「基本を押さえてた上で、いかに自分の能力を開花させるか」が大事だと思います。
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新井 | そうですね。 |
柏田 |
やっぱり「才能がないと出来ない」といってしまったら、元も子もないし、才能のありなしなんて誰にも分かりません。
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新井 | 10月開講の125期作家養成講座もよろしくお願いします。 |
柏田 |
数年間、シナリオ教室の手伝いをした後、フリーライターになって、2、3年してからだから、30歳なかばだったかな。
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新井 | お若いですね。それから今までずっと、講師をやられているんですね。 |
柏田 |
はい。シナリオ・センター自体も、講師の高齢化もあったから、新陳代謝をはかりたかったんでしょう。
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新井 | 今は若手もどんどん入ってきているから、やっと中堅ですね(笑)。 |
柏田 | そうですね。 |
シナリオ・センターで、講師として、脚本家として活躍している柏田講師の時間術がきけました。サラリーマンが嫌だったとか言っていた割には、結構規則正しい生活をしながら、隙間の時間をうまく使っているんだなぁと思いました。
なかなか書く時間がないという方も、頭の中で“ながら”でドラマを作るのもいいかもしれませんね。