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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

11月3日は日本国憲法公布の日

シナリオ・センター代表の小林です。昨日は文化の日でした。文化勲章はノーベル賞受賞の大村先生、梶田先生ほか、俳優の仲代達矢さんら7人。

橋田賞授賞式
文化功労者には、脚本家の橋田壽賀子さんが受賞されました。
90歳になられた橋田さんですが、功労賞を受勲されて意欲満々、まだまだ若手作家の前に立ちはだかられることでしょう。若手よ、負けられませんよ!若手って、橋田さんから見る若手は80歳以下?(笑)

 

11月3日、実は日本国憲法公布の日でもあります。
5月3日施行した日を憲法記念日にしていますが、11月3日にしようというお話もあったそうです。 この法案を審議した参議院委員会の委員長だったのが、なんと小説家の山本有三さんだったんですね。
11月3日を「文化の日」に設定したことについての演説があります。
「この日は、憲法において、いかなる国もやったことのない戦争放棄ということを宣言した重大な日でありまして、日本としては、この日は忘れがたい日なので、是非ともこの日は残したい。そうして、戦争放棄をしたということは、全く軍国主義ではなくなり、また本当に平和を愛する建前から、あの宣言をしておるのでありますから、この日をそう言う意味で『自由と平和を愛し、文化を進める』、そういう『文化の日』ということに我々は決めたのです」と。
小説とは似ても似つかない大文豪山本有三とは思えない回りくどい(笑)あまりうまくない言い回しですが、いかに戦争放棄がすばらしいことか、平和であるゆえに文化が栄えるかがよくわかる演説の一部だと思います。
「いかなる国もやったことのない戦争放棄」を日本はしたのです。11月3日、70年前に公布した、宣言をした日、日本中だけでなく世界中がどんなに驚き、称賛したことかと思います。これを保ち続けたいものです。

私の叔母は、南方で戦死した夫の知らせを、なにひとつ叔父の形見も入っていない白木の箱をもらって、泣けなかったそうです。 本当に死んだのか、亡くなった証拠もない、実態もない空白の心を引きずりながら、誰かが帰ってくるたびに一縷の希望の灯をともして、3人の子供を育て、信じられないまま死んだのです。友人のお母様は、息子の戦死を知らされても尚、毎年誕生日を祝っていたそうです。 伯母のような、友人のお母様のような想いを持たれている方は、まだ日本中にたくさんいらっしゃいます。

毎週金曜日の午前中、お母さんたちが国会前でデモを続けていらっしゃいます。
「だれのこどもも殺させない」
母親の、妻の実感だと思います。 

文化の日、ニュースを見ながら、この国で自由な表現ができるのだろうかと思いつつ、誰かに頼るのではなく、私たち自身で『表現の自由』を守らなければならない、子供たちを殺されてはならない、そのためには常に声をあげていなくてはいけないと思った一日でした。

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