シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日は、開戦記念日です。1941年12月8日、日本軍が真珠湾攻撃をした日です。この日、3年半に及ぶ太平洋戦争の火ぶたが切って落とされたのです。
国民ひとりひとりが常に関心を持っていなければ、再び同じ日が来ないとも限らない薄氷を踏むような昨今、終戦記念日と共にこの日も心に刻んでおかなくてはと思います。
先日、「テロを根絶するには」と子供たちに聞かれた池上彰さんが「仕事と教育」とおっしゃっていました。 仕事があって貧困から脱出できれば、家族ができる。愛する家族がいればテロを起こして死のうと思わない。
そういう意味で言ったら、子供の6人に1人が貧困の日本もいずれテロリストが生まれる土壌を作っているのかもしれません。
大企業ばかりが儲かることを考えるだけなく、庶民の力になる国であってほしいものです。
世界と伍していくには武器でなく、人と人との結びつきではないでしょうか。
世界中が幸せになるためにはどうすればいいのか、青年海外協力隊の方々もその一環を担おうと苦労されています。
そんな青年海外協力隊50周年を記念して行われたシナリオコンクールから生まれた映画「クロスロード」が上映されています。
この作品は、作家集団の佐藤あい子さんが入選され、映画化になったもの。
どういうわけか、そのコンクールにはほとんどふれていないのですが、そもそも青年海外協力隊のお話もセンターに来てされて、応募を募ったものです。 佐藤さんはしっかりと現地にもシナリオハンティングにいき、実施の海外協力隊の方々にお話を聴きながら作った作品なので臨場感に溢れています。
映画「クロスロード」は、EXILEの黒木啓司さんが主演で、写真から世界を変えようとする主人公が、考え方も現地の接し方も違う海外協力隊員たちと本音でぶつかり合いながら成長する物語です。
ボランティアなんて偽善だと考えている主人公は、現地の人が自立できる世界を創ろうと一生懸命な優等生タイプの羽村とそりがあわず、派遣されたフィリピンの現状に胸を痛めながら、無力感の中に帰国。それから8年、震災後の東北で久しぶりのライバル羽村との再会。
ふたりの海外協力隊員の再会は、思わぬ答えが待っています。
海外協力隊もそうですが、世界中の発展途上地区から紛争地区まで、色々な日本人の方たちが、様々な形で技術、知識、経験を使って力になっていらっしゃいます。
世界中の人たちが、どの国よりも日本を信頼しているのは、「戦争をしない国」だからなのだそうです。 これから戦争をする国になりそうな日本では、現地で活動している日本人の方々が危険にさらされることも多くなることでしょう。
折角、信頼のきずなを創られた方々の意を無にしてしまわないように、「戦争をしない国」日本を守り続けていきたいものです。