シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。夫婦別姓の裁判は、同姓は合憲だという判断になりました。15人中違憲としたのは女性裁判官3人を含む5人とか。みなさんはどんなご意見でしょうか。私は、なんで同姓別姓にこだわるのかわかりません。
合憲だの違憲だの争わなくても、結婚するとどちらかの姓を選ぶというだけでなく、別姓のままでも結婚したことを認めるという選択肢を入れたら、それでいいんじゃないかなと思うのですが。
そんなに難しいことでしょうか。別姓でいたい人、男女に関わらず同姓にしたい人、男性の姓にしたい人、色々あって、みんなそれぞれの考え、想いをもって名乗りを上がればいいじゃないですか。
もっと広く気持ちを持っていただきたいですよね、お上には。
トルコがなぜ親日派なのかご存知でしたか?
トルコと日本の友好125周年を記念して、その友好のもととなったトルコの軍艦エルトゥールル号遭難のお話が、映画化、小説化となって上映、出版されています。
小説は、我らが大先輩鈴木光司さんの「ブルーアウト」(小学館刊)
1890年、トルコ軍艦エルトゥールル号は、総勢600名もの乗員をのせて、小松宮親王の皇室外交への返礼として日本へ向かったのですが、立派に使節の役目をはたして帰途に就いた直後、台風に合い串本沖で沈没してしまいます。 600名の乗員のうち生存者60数名という悲惨な海難事故になってしまいましたが、串本の町民は生存者を厚くもてなし、手厚い看護を施し、傷が癒えたところで、日本海軍の軍艦でトルコまで送り届けました。それ以来、トルコ国民は親日となったそうです。
その約100年後、トルコは、1985年におきたイラン・イラク戦争で取り残された日本人をトルコ航空機で救出するという粋な恩返しをし、より両国が親密になりました。
この史実をもとに、鈴木光司さんが書かれた「ブルーアウト」は、エルトゥールル号の遺品を探し出すエルトゥールル号生存者の子孫ギュスカンとダイビングショップを営む水輝とのふたりの現在の話と、1890年の海難事故の話しとかが交差しながら、運命のつながりを教えてくれます。
ギュスカンが探したかったのは、香水の小瓶。小瓶のなかには、お腹の子供と妻に託した遺書と血が入っていました。
この小瓶を探して潜水したふたりが事故に合うのですが、この小瓶が二人を助けてくれます。
そんな過去と現在が交差しながら、血のつながり、人との結び付き、数奇な運命が描かれて、次から次へとページをめくってしまいました。
ご自身もヨットマンとして海の脅威を知り尽くしていらっしゃるだけに、その描写力のすごさは、ダイビング好き、海好きの人には、特にたまらないものがあるかと思います。何も知らない私も、深海に潜って事故にあった感覚で、危く溺れちゃいそうでした。(笑)
さすがだと思いながら、アッという間に、鈴木光司の深海へと引きずり込まれてしまう本です。