シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。
明けましておめでとうございます。本日から新春授業の始まりです。
46年目を迎えるシナリオ・センターの第一歩です。
いただいた年賀状には、昨年のパーティーや新井一賞授賞式など大変でしたねとほとんどの方がいたわってくださいました。ありがたいことです。 そして、今年はゆっくりとお過ごしくださいと・・・本当にありがたいお気持ちですが、そうはいきません。今年もまた誰よりも突っ走る小林です。(笑)
どうか皆様、今年もよろしくお引き立てください。
昨年、創立45周年&新井一生誕百年記念新井一賞授賞式がラストファイナルとして12月23日に行われました。
ゲストでおいでくださった小説家の浅田次郎さんのお話の始まりは、韓国シナリオ作家協会へご招待されて講演された時のお話しでした。
韓国のシナリオライターの地位が、シナリオライターの活躍がいかにすごいかということをお話ししてくださったのです。
確かに今の韓国映像界は、素晴らしい作品を次々出されています。その活気は、昭和30年代の映画全盛の頃の日本に似ています。とてもうれしいことです。
実は、その陰に新井一のシナリオの基礎技術があったことは、どなたもご存じないかもしれません。
韓国のシナリオの基本は、シナリオ・センターの新井一の「シナリオの基礎技術」から始まっているのです。
25年以上前になるでしょうか。韓国シナリオ作家協会副会長の崔仁樹さんが訪ねていらして、韓国にはシナリオのノウハウがまだないので、基本を教わりたいと新井一に依頼されました。
韓国には海賊版の「シナリオ基礎技術」が出版されていましたが、崔さんは、毎年日本に訪れるたびに新井のもとへ教えを乞いにおいでくださり、あれこれとシナリオの技術をついて、何時間も新井から聞き、学ばれてお帰りになるという繰り返しをされていました。
そして、韓国シナリオ作家協会併設のシナリオ学校を創られたのです。
これがもとで、海賊版を廃して、ちゃんとした韓国の出版社から「シナリオの基礎技術」「シナリオの技術」が出版されました。 ちょっとうれしいではありませんか。韓国シナリオ業界の活性化の陰に、新井一の「シナリオの基礎技術」のノウハウがあるというのは。
40周年にはおいでくださったのですが、昨年のパーティーでは、予定が合わずとても残念でした。
国との間は色々あるようですが、韓国も中国も日本も映像界では仲良く発展していきたいと思います。
文化の結びつきは、どんなものより強いのです。なぜなら、お互いの想像力、創造力、表現力を認め合うことから始まるからです。
否定からは何も生まれません。 今年のシナリオ・センター授業の課題は「聞く耳を持つ・・・聞く力」です。 他人の話を聴けること、否定せずに受け止め、それを深く理解し、自分の考え、想いで表現すること・・・すべての想像はここから始まります。
今年は、広い心で、大きくものを見聞きすることから始めましょう。