子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
先日の成人式で、日本中で121万人の新成人が誕生したそうです。おめでとうございます。
今から15年前の成人の日に想いを寄せる年男シナリオ・センターの新井です。
今の自分を、二十歳の自分が見たらなんというのか、ちょっと想像してみると面白そうです。我ながら、痛いところを突かれそうな気もします。みなさんも、一度くらい、そんなことを考えたことありますよね?『モテキ』で中学生の自分に攻められる、あんなイメージです。
で、この考え方ってうまく使えないかなと思って形にしたのが、シナリオを使って、「自分の大切なもの」に気づいていくことができるプログラムです。これ、教育実践家と自らを呼んでいる元和田中学校の藤原和博先生にも注目頂いた方法なんです。(そのときは、採用試験でしたが。詳しくはこちらから)
「え?シナリオを使って「自分の大切なもの」に気づくってなに?」
と思われる方もいるかと思います。
でも、できちゃうのです。昨年の12月東京経済大学で実施したキャリア向けのゼミで、参加した学生21名がちゃんと、大切にしているものを見つけました。しかも、たった90分で。
やり方は至極簡単。まだ年明けたばかり、是非、挑戦してみてください。
基本的には二十歳の自分に問いかけられるのと同じです。
登場人物は、あなたと健太くん10歳。健太くんはちょっと生意気な子です。
設定は居間で健太くんが、つまらなそうに宿題をしています。そこにあなたがやってきます。あなたは健太くんの親戚のお兄ちゃん、もしくはお姉ちゃんです。
で、嫌々宿題をしている健太がふくれっ面であなたに言います。
健太「分数なんて、絶対使わないでしょう?将来。勉強なんて、テキトーでいいよね?」
さて、あなたは何て応えますか?セリフを考えてみてください。
「 」
さらに、健太くんは畳み掛けます。
健太「友達と遊んでた方が、100倍楽しいじゃん」
「 」
あなたはかっこつけずに、健太の問いかけに答えていくだけです。ここまで5分。
さぁ、ここからです。
まずはあなたが書いたセリフから、あなたらしい部分を抜き出します。セリフの一部、もしくは全部でも結構です。抜き出したら、そのセリフを言った背景(いままでどう考えてきたか、いままでどんな経験をしたか)を書いていきます。次に、事情(これからどうしたいか、どうなりたいか)を書いていきます。コツは、「だって~なんだもん」と駄々っ子のように考えることです。
たとえば、
健太「分数なんて、絶対使わないでしょう?将来。勉強なんて、テキトーでいいよね?」
あなた「まぁ健太がやりたくないなら、勉強なんてテキトーでいいと思うよ
(背景)だって、勉強よりも、部活に取組む時間がほしいもん。テストのために勉強したくないもん。
(事情)だって、やりたくないことを我慢してやることないと思うもん。学校の勉強が何かの役に立つとは思えないもん」
となります。全然、勉強する気がないのがわかります。
「友達と遊んでた方が、100倍楽しいじゃん」の問いにも同様にやってみてください。
さらにさらに、背景と事情を「例えば~」をキーワードに具体的にしていきます。
「だって勉強よりも部活に取組む時間がほしいもん。たとえば、勉強をする時間があったら、サッカー部でレギュラー取るためにランニングしたり、筋トレしたりする時間にしたいしね』
具体的にすると、勉強する気がないのではなくて、部活に力を入れたいことがわかります。ちょっと、見直しちゃいますね。
実際のプログラムでは、もう少し健太の問いに応えます。でも、やることは一緒です。
応えたセリフを「だって~なんだもん」と言って背景・事情を書き、さらに「例えば~」を使って具体的にする作業を、健太の問いの数だけ重ねていきます。すると、よく使う単語や自分のセリフを書くときに必ず考えている概念に気づきます。それが大切にしているものです。
例に出した男の子は、「『自分がやりたいことを頑張る』ことを大切にするキャラクター」というのが見えてきます。
実はこの作業、登場人物のキャラクターを考えて、セリフを書くというシナリオ創作の作業を逆回しにしたようなものなのです。だから、セリフから自分のキャラクターが見えてくるっているわけです。
すると、大切にしているものが、みんな違うということに気づきます。「至極、普通の考えかたをしている」と思っていた自分は、チョーマイノリティーなのです。なんせ、1/100,000,000!
なので、数名でやるとかなり面白くて盛り上がります。
よくある性格診断や適性試験では、自分が何かしらに類型立てられます。私、あれ、大っ嫌い。だって、私は誰とも同じじゃないもの。そんな当たり前のことも、キャリアを考えるときには捨てなきゃいけないなんて、嫌な世の中だなと学生の時に思いましたもん。
だから少しでも早いうちから、誰とも同じでない「自分が大切にしているもの」に気づいてほしいと思うのです。新成人の皆さん、そして若い皆さん。さらには、まだ見つからない大人の皆さん。大切なものなくして、キャリアなんて何も考えられないと思うのです。
「自分のことをよく考えろ!」というのは簡単です。でも、どう考えたらいいの?となった時、健太の、シナリオの出番なのです。
あなたの大切にしているものは、なんですか?
シナリオ・センターでは、早いうちから「自分が大切にしているもの」に気づくことができるキャリアプログラムを、小中高校、大学向けに提供しています。うちの学校でもそのプログラムについて詳しく知りたいという方、お気軽に新井までお問合せください。詳しくはこちらから。
シナリオ・センター代表 小林幸恵 著 BookBeyond http://bit.ly/Ue2KM7 |