シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日は、事務局は模様替えをしました。
一人一人のデスクはみんな捨てて、誰もが一緒に働けるデスクにしました。コミュニケーションがよくなることでしょう。まだ、大騒ぎ中でなんにもできていないのですが、ちょっとでも新しい雰囲気になると、なんだかワクワクするもんですね。
昨週末は、127期シナリオ作家養成講座の入学式でした。毎年のことながら、新しい出会いは、本当に嬉しいものです。
ですが、一昨日は、ちょっと2011年を思い出してしまいました。 2011年3月11日の東日本大震災のため、4月の開講を延期して、5月中旬に開講しました。
その時のなんともいえない雰囲気が、ホールの壇上に立った時、甦ってきたのです。
私だけだと思っていたら、担当講師の浅田も同じ想いを感じたと言います。
あの時のなんというのかなあ・・・まだ体も気持ちも整理がついていない時期でしたが、受講生のものすごいモチベーションというか熱気というか、今やるしかない!という雰囲気。遠くで大変な思いをしている方々がいらっしゃるのだけれど、私たちのやるべきことは、私たちのできることは、その思いを表現できる力を持つことなのだという圧倒的なパワーに押されたのでした。
九州大地震が起き、被害も、被災地もどんどん広がっています。
東京からは遥か離れたところで、何が起こっているのかどうなっているのかわからないことは多いのですが、そこで被害にあわれた方々の気持ちや不安をどれだけ想像力をめぐらすことができるのか・・・それが被害にあっていない私たちの使命だと思っています。
東日本大震災の時、「今何をしたい?」と若い女性たちに尋ねたところ「恋バナがしたい」と答えたという話を「ほぼ日」で書いておられた糸井重里さんと、私も「当然だ!」「それが大事!」と呼応したことは忘れられません。「こんなときだから」といわれてひとつの方向へ行ってしまうことの怖さもちゃんと想像しなければならないと思ったものでした。現実に、九州で地震が起こった直後に菅官房長官が怪しいこと言っていましたものね。
あのときも、大事なことは想像力と申し上げました。
127期の入学式でもやはりついついお話ししていました。
他人の気持ちに寄り添える、理解できる創作者であって欲しいと、創作者以前に人間であって欲しいと。そうありたいと私自身も思っていることですが。
災害はいつなん時、どんなところにどんな形で起きるかもわかりません。
できることをするしかないのです。 安心なことはどこにもないのです。
だからこそ、自分なりの表現をし続けていくことこそが、日々をきちんと生きるということではないかと思うのです。
近々シナリオ・センターでも、九州大地震への寄付などを行いたいと思っています。
ご協力をお願い致します。