シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。4月1日、エイプリールフールです。
昔話で恐縮ですが、その昔、事務局長だった小山さんは、横浜校のA講師が、誰よりも飛び抜けて冷静沈着で、頭が切れる人なので大ファンだったのですね。
4月1日は、冷静沈着なカノジョに一泡吹かせたいと1年間練りに練って必死に嘘を考え、実行しました。
残念・・・結局、毎回敗退(笑)。いつも苦虫を噛み潰した強面の小山さんが、必死に嘘をついている姿が、可愛くて可愛くて、春の初めの心和む風景でした。
もう亡くなられてしまったのですが、天国でもなにか仕掛けているかも・・・。懐かしく思い出されます。
嘘って、ドラマを創るにはとても重要な要素です。
でも、真実がないと嘘は利きません。
嘘と言うと語弊がありますが、「講釈師 見てきたような 嘘をつき」「講釈師 扇で嘘を 叩き出し」と詠まれたくらい、昔のお話をその場で見たように語るのが講釈師のお仕事です。
シナリオライターも同じです。
時代劇で言えば、時代という真実の中で嘘をつく、大事なところは、真実の中に嘘を混ぜることなんです。
例えば、水戸黄門様の、葵のご紋の印籠、「皆のもの、この印籠が目に入らぬか」なんて、本当にしたわけではない(えっ、したって?(笑))。
けれど、先の副将軍水戸光圀公が全国行脚したことは事実なので、ここから「助さん、格さん、こらしめてやりなさい」のドラマになるわけです。
大河ドラマ「八重の桜」でも、吉田松陰が会津を訪れた事実があって、そこで八重の兄覚馬と酒を飲み交わしたかどうかはわかりませんが、ドラマでは接触したことにできる。
会津に来た事実がなければ、それはまったくの嘘八百になってしまうのですが、来ていた事実があるからこそ、できることなんですね。
そこをうまく使って、時代の動きを巧みに入れ込まれて、八重のこれからの生き方を際立たさせる・・・山本むつみさん、さすがです。
時代の流れ、そこに生きた人々との関わりを持つことで、八重という素晴らしい女性が生まれた背景ができるというわけです。「八重の桜」どんどん面白くなっていきますね。
上手な嘘で、ドラマッチにしていきましょう。ドラマの印籠です。
土曜日、早朝テニスの後お花見をしたのですが、寒くて寒くて、朝から酒量の上がったこと、上がったこと。
もう昼過ぎにはあえなくダウン。
まあ、土曜日、日曜日とあの寒い中、皆さんよく花見をされていました。
ダウンに身を包み、桜を愛でる・・・酔狂ではありますが、日本人らしい季節の楽しみ方ですね。
4月を前に東京の桜はおしまい。桜のじゅうたんが見事です。
また来年、日本中の人々が桜を心から楽しめますように。