シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
「シナリオ教室」7月号が発行となりました。
本号は第30回「シナリオS1グランプリ」の特集号です。受賞作3作品が掲載されています。
準グランプリ受賞のお2人、杏入圭美さんと佐久間朋子さんは、初めてのコンクール受賞。なぜ今回受賞できたのでしょうか?
もちろん面白くて、人物がよく描けていて、書き方も上手だったからなのですが、「シナリオS1グランプリ」の授賞式でのスピーチで、お2人共話されていて印象に残ったのが、「他の人は知らないけれど、自分はよく知っている世界」を描いていた、ということ。
具体的に申し上げると―杏入圭美さんは獣医さんをしていて、今回の受賞作『一番近くの獣医さん』も、若い女性の獣医さんが奮闘する話を描いています。獣医さんでないと書けない動物病院の現場で起こる出来事が、非常にヴィヴィッドに描かれてありました。
佐久間さんの受賞作『命の音色』は、主人公の女性は体外受精でやっと妊娠しますが、病院側のミスで受精卵を取り違えが発覚。降ろすのか生むのか悩む主人公の気持ちがとてもよく描かれてありました。この話を考えたのは、佐久間さんご自身の妊娠がきっかけだそう。妊婦の気持ちは、ご自身が実際に経験したからこそ書ける!と思ったそうです。
佳作の西原広治朗さんは8年前にも受賞はされているのですが、今回の受賞作は「他の人はよく知らないけれど自分はよく知っていること」を書いてます。
西原さんの『高校4年生があったら、英語が話せるようになるか?』は、何年勉強しても英語が話せるようにならない日本の英語教育に一石を投じる話。これもご自身が英会話スクールの講師をしていて、自ら体験したり感じたりしたことがベースとなっています。
皆さんも、自分はよく知っているけれども、他の人はあまり知らない世界を描いてみては? でも取材などあまり調べる必要がないというメリットがある一方で、気を付けなくてはいけないのが、客観的に俯瞰で見ることが出来なくて失敗する危険性。
次のS1の締切は8月22日。例年よりも締切日が早くなっているので、お気を付けください。「月刊シナリオ教室」7月号の受賞作をよく読んで、ぜひ応募してみましょう。
「月刊シナリオ教室」7月号は1冊700円でシナリオ・センター事務局にて販売中。
ご自宅に毎月1冊ずつ、1年間で12冊届いて、年間購読料が割引価格7500円(送料込)という「一(いち)の会」のシステムもあります。詳しくは事務局までお問合せください。