しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。
「次の一手」とは、創設者・新井一が遺したシナリオの技術に関する言葉をドドンッ!ご紹介。
何気に描く物語。
シナリオ・センターの課題シナリオ。
コンクール応募作。
書く時に、思い出してみてください。
「なんとなーく面白いシナリオができあがった」を、
「だから面白いシナリオができたんだ!」にするために。
「次の一手!」は1階事務局の掲示板にもドドンと掲示中です。
お気軽にお越しください。
8月の「次の一手!」はこちら!
「 遊 び 」
<遊び>というと、ストーリーからは外れて余計なことのようですが、
そんなことはありません。ストーリーを進展させる<遊び>でなければ、
<遊び>だけが遊離してしまいます。
「カチカチ山」で、兎が狸に復讐をするのに、ストーリーから言えば、
泥の舟を作って、殺してしまってもいいのです。ところがその前に、
それこそ「カチカチ山」で背中に火をつけたり、その火傷に、良薬だと言って唐辛子を塗りつけたりします。
いずれも復讐するというストーリーから外れてはいません。
たとえば「殺し方」について、一〇〇ばかり考えてみてください。
斬る。なぐる。首をしめる。水の中で溺れさす。崖から突き落とす(バリエーションとして、ビルの上から)。
口をふさいで窒息させる。刃物で刺す。焼く。ピストルで射つ。轢き殺す。重いものでつぶす―――
こんなふうに考えてくると、三〇くらいはポンポンと出ますが、これから先はなかなか出てこないものです。
ぜひやってみてください。
大体すぐ思い出すのは、既にだれかが使った手法です。
だれもやらないものをひねり出さなくてはつまりません。
話はそれますが、推理小説家になる資格は「密室殺人事件」の、新しい、だれも使っていないトリックを考え出したときに、プロとして認められるそうです。
「殺し方」ばかりではなく、アクションものなら「逃げ方」「おいかけ方」を一〇〇くらい考えておくといいと思います。
新井 一
(「シナリオの技術」(ダヴィット社)より抜粋)
※8月10日(水)から8月16日(火)まで夏休みの為、全ての授業、事務局をお休みさせていただきます。
お問い合わせをいただきました場合、ご返答は8月17日(水)以降となることもございます。あらかじめご了承ください。
良い夏を、お過ごしくださいね!