子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
みなさんは普段TVCMなどを見終わった時に「これって○○のCMだったんだ~」って思う映像、たまにありませんか?
感動的なCMだったり、驚くような仕掛けで見せてきたり…。見終わった時に、どの会社のCMなのか判明するような映像です。
今回はそんなタイプの動画を、化粧品メーカーに絞ってピックアップしてみました。既にご覧になっているものもあるかと思いますが、PR動画の作り手側の気持ちになって再度見てみるのも面白いかもしれませんね。
少し古いですが、POLA化粧品の動画です。
女性が名前で呼ばれなくなってしまう…ということで、「ママ」「お母さん」という代名詞になり、その人自体の美までもが埋もれてしまう。でも、それはちょっとしたこと=「彼女の名前を呼ぶ(Call Har Name)」だけで、その美を呼び覚ますことができる。というメッセージを伝えています。
ラストのコピー、「すべての女性には、美しさという本能がある」化粧品メーカーなのに、本能だけでそれを呼び覚ますことができる、というコピーを使っているところが逆に素敵ですよね。
こちらも、有名なSK-Ⅱの動画ですが、TVCMで桃井かおりさんや綾瀬はるかさんが出ているものとはちょっとタイプが違います。
こちらは一般人のカウンセリング風景ですが、裏で問いかけをしていたのは、実は少女だった。という物語です。この少女たちの問いかけによって、子供の頃の自由な気持ちを思い出し、自信を取り戻す。自分を肯定する自由な気持ちが、女性の美しさを呼び覚まさせてくれる。そんな気持ちになるのではないでしょうか。ラストのコピー「子供たちが教えてくれるのは、忘れていた、夢見る気持ち。Dream Again. Change Destiny」も胸に突き刺さります。
DOVEの海外のCMですが、感動的なCMとして知っている方も多いのではないでしょうか。こちらも、伝えているメッセージはPOLA、SK-Ⅱと同じですよね。キャッチコピーにもある通り「美しさは、心の在り方しだい」ということが伝わってきます。
そして、この動画のユニークなところは答えを導くやり方として、パッチテストを使っているところ。ダヴのCMはこういった素敵なアプローチのCMが多いので、興味を持った方は、ぜひ、見てみてくださいね。
いわゆるバズ動画なので、ご存知の方は多いのでは? こちらはアプローチがとってもユニークですよね。女性がメイクをすれば美しくなる…を超えて、男性さえもここまで美しくすることができる!ということがダイレクトに伝わってきます。キャッチコピー「誰でもカワイクしちゃいます」も秀逸で、ものすごく説得感のあるものとして刺さってきます。
ご紹介したすべての映像にいえることですが、どれも抽象的で、ダイレクトに会社の理念を見せていません。化粧品メーカーなのに、ラストまで見ても、「私たちの商品には○○な効果があります」「○○を使って美肌に!」とか、そんなキャッチコピーも入っていません。でも、そのメーカーが商品を作る姿勢やテーマ、大切にしていること、それぞれの個性も伝わってきませんか?
今回紹介した4本は、まさに『理念間接型』の構造になっています。
その会社の想い(理念)をそのまま見せずに、間接的な表現を通してユーザーに届ける映像になっています。また、映像全体には統一感を出し、導入部分に〈謎〉を入れ、視聴者の興味を引き、最後まで見せることに成功している事例です。
(『いきなり効果があがるPR動画の作り方』p107 参照)
このタイプの映像は飽きずに最後まで見られるし、見切った後には「あぁ、そういうことか!」「そうだよね」なんていう感情になるものが多いですよね。作り手としては、「どんな切り口なら、ブランドのイメージが伝わるのか?」を、練りに練って考えているのだと思います。
PR動画の中では、最も難しい型の一つなので、単純に真似することは難しいかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば低予算でも作れます。いつか自社の想い(理念)をこんな形で紹介できたら素敵ですよね。シナリオ・センターの内藤でした。
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