子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
シナリオ・センターでは2016年4月から月間でシナリオの技術をご紹介する「次の一手!」を開始!
「次の一手」とは、創設者・新井一が遺したシナリオの技術に関する言葉をドドンッ!ご紹介。
何気に描く物語。
シナリオ・センターの課題シナリオ。
コンクール応募作。
書く時に、思い出してみてください。
「なんとなーく面白いシナリオができあがった」を、
「だから面白いシナリオができたんだ!」にするために。
「次の一手!」は1階事務局の掲示板にもドドンと掲示中です。
お気軽にお越しください。
11月の「次の一手!」はこちら!
「情緒あるセリフ」
ドラマの中には、「ああ面白かった」といいながらも、もう一度見たいとは思わないものと、
ぜひもう一度見たいと思わせるものとがあると思います。
どちらがすぐれているか、ということは別にして、もう一度みたいという魅力は、
どこにあるかというと、それは<情緒>だと思います。
それは、別にストーリー(筋)とは関係ありません。
例えば、ストーリーはよくわかっている『勧進帳』などは、
安宅の関にさしかかる弁慶と義経主従の一行が、富樫にとめられて申しひらきをし、
最後に酒をふるまわれて、延年の舞を踊ります。
たしかにその中には、見つかるかどうかというサスペンスはありますが、
観客の中のだれ一人、あそこでつかまってしまうではないかとハラハラする人はありません。
そこでは、リズムとテンポにのった、伸縮自在のセリフのやりとりと、美しい仕草の動きがあります。
まるで音楽を何回でも聴くように、テンポとリズムと、そして美しい律動感を楽しむのです。
いいかえるならば、情緒あるドラマというものは、そういうものではないでしょうか。
そうしたものが感じられるようなセリフを、情緒あるセリフと言います。
こういうセリフが書けるようになるのは大変なことです。
(中略)目下のところは、そういうところまで行くセリフもあると承知していればいいでしょう。
新井 一
(「シナリオの基礎技術」(ダヴィット社)より抜粋)