シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。昨日は、前にご紹介した「ヒューマンライブリー」へ行って参りました。どなたかいらしてくださったでしょうか。
中野にある明治大学は、新校舎ですごーくきれいで、各教室も使いやすそうで、もちろん全く比べる意味もないのですが、それでもうらやましーく思いました。(笑)雨降りにもかかわらず、老若男女がたくさんいらしていました。
明治大学ヒューマンライブラリー(生きている図書館)は8回目だそうです。人を本に見立てて、本(人)を貸し出して30分お話をするという試みです。
浅田講師が本役で参加しているというので、一体、人を本に見立てて貸し出すってどんなことをするのだろうと興味半分に出かけて行きました。
参加してみて初めてわかったのですが、このヒューマンライブラリーは2000年にデンマークで開催され、現在世界70各国で開催されているものだそうです。社会的にマイノリティな方々が本として参加されます。 私たちの周りには、多くの障害者、性同一障害、薬物依存症、難病、ホームレス、難民、見た目に問題を抱えた人など、生きにくさを抱えた人たちがたくさんいます。 身近な多様な異文化に生きる人々への気づきを通じて、多様性に寛容な心を育て、異なる人々コミュニケーションを活性化する試みが「ヒューマンライブラリー」です。
明治大学では、なんと33教室で33人の本(マイノリティの人)を貸し出してくれました。各教室に1冊(おひとり)本が置いてあり、その本(人)と1対1でお話を30分できます。
一人一冊(1対1から1対3まで)の貸出なので、1冊(ひとり)を読むことができる読者は10人程度なので、残念ながら私は貸し出しできず、教室をこそっと拝見するだけでしたが、その方々の講演会もあり、心臓難病のシンガーソングライター、アルビノ(先天性白皮症)の方のお話しをお伺いすることができました。
また、口と足で描く芸術協会の絵画展やパラリンアート、写真展など興味深く拝見しました。 世の中には多様な人がいることを知ることだけでも、本当に参加してよかったと思いました。次回は1対1で本を読んでみたいと思います。
東京学芸大学(第2むさしのホール)でも、12月4日(日)12:30~16:00に行われます。
「未来のこどもたちに伝えたいこと」をメインテーマに難民、イスラム教留学生、セクシュアルマイノリティ、性分化疾患の方、双極性障がい、発達障がいの方、児童生徒学習支援者、外国に繫がる支援者、留学関連を仕事をされている方などが本になられるそうです。
多様性を理解するというお話しは、よくよく考えてみると不思議だなあと思います。だって、誰ひとり同じ人はいないのだから、すべて人間は多様なわけで、理解し合わないということは、「人は皆違う」という前提がないということですものね。色々な人がいることが当たり前だと思えるよう、心の、頭の狭い枠を外してみたいものです。
シナリオを描くのであれば、特に、枠を持ちたくありません。自分のまわりの狭い世界だけではなく、日ごろ対話する機会のない方との時間を持てるこういう機会を利用してはいかがでしょう。今までと違う視点が見えてきます。