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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

20枚シナリオ

シナリオ・センター代表の小林です。昨日は、マイスター講座の最終面談に一日かかっていたので、日記を書く時間がありませんでした。失礼いたしました。

 20150213b 森下佳子さん 

マイスター講座は、シナリオ・センターの講師養成のための講座です。今年1月から1年かけて、添削・講座・ゼミ・通信・研修・キッズなどあらゆることを勉強していただきました。
最終面談で、ご希望をお聴きし、これからのことをお話ししたりさせていただきます。14名の受講生の方々のうち、何人の方が講師としてお願いできるのかはまだ不明ですが、1年もご一緒に勉強させていただくとどなたにも親しみを感じて、全員にお願いできればと心底思う今日この頃です。

シナリオ・センターがなぜこのような講座を開いて、講師を養成するかというと、シナリオ・センターの教育方針をしっかりとわかっていただき、センター独自の教育を守っていただきたいからに他なりません。
46年の経験と業界のほぼ2/3を占める出身ライターを輩出し、コンクールの9割を入選するという実績は徒やおろそかでできたものではありません。
ここまで積み重ねてきたものは、受講生のおひとりおひとりの努力の賜物なのです。
それを支えてきたものが、シナリオの基礎技術・20枚シナリオ教育法です。
岡田惠和 

20枚シナリオは、新井一が考えたシナリオの技術を定着させるための画期的な方法です。
シナリオの技術とはなにかというと、「見せる」「伝える」技術なのです。
新井は、ストーリーは23パターンしかないといいます。
ジェームス三木さんは、ドラマのパターンは、勝負に負ける勝つか、愛が成就するかしないかだとおっしゃっています。
では、どうしてわずか23パターンのストーリー、端的に言えば負ける勝つか、成就するかしないかだけのストーリーなのに、ドラマは無限大にあるのか。なぜか。
キャラクターが、天地人が、構成が、ドラマをどこまでも広げていきます。

ストーリーだけだったら、原作ものやリメイクなど見る必要はありませんね。筋は知っているのですから。でも、見る、見たい。視聴者が望んでいることは、ストーリーを単に知るだけではなく、シーンに魅せられ、シーンから心(感情)に伝わることです。

だからこそ、心打つシーン、見逃せないシーンを描くために20枚シナリオがあるのです。 20枚シナリオはショートストーリーを描くものではありません。ディテールを描くのです。
どれだけ魅力的なシーンを描けるのか20枚シナリオは問うています。
ジェームス三木さんは、20枚のワンシーンを、岡田惠和さんは、原作ものの書きたいシーンを20枚で書いてみるというのも勉強になると提案してくださっています。
魅せるシーンを描くことの重要性を、20枚シナリオの効用をよくよく御存じだからのご提案です。
ドラマはシーンが積み重なってできています。
森下佳子さんは、このシーンを描きたいために、そこに向かって描いていくとおっしゃいます。
だから、面白いのです。理屈ではなく感情に訴えられるからです。

20枚シナリオで見(魅)せるシーンを描く腕を磨かない限り、どんな長編も面白くはできません。コンクール入選者の方々が、20枚シナリオをもとに描いたというお話をよくされますが、それは魅力的なシーンを描いていたということです。

魅力的なシーンを描くことこそが、シナリオの基礎技術です。これこそが基本の力です。基本の力なくして応用は効きません。
「見せる」「伝える」ための基本技術さえあれば、ドラマや映画のシナリオのみならず、小説や戯曲、アニメ、オーディードラマ、漫画原作、ゲームシナリオ、ノンフィクション、なんでも応用できるのです。

時代の流れによって様々な変化はあります。ですが、基本は、どんなに時代が変わろうと変わらないものです。シナリオ・センターの軸はゼッタイにぶれません。

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