シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
明けましておめでとうございます。3が日は穏やかなお天気でなによりの年明けでした。
皆様はいかがお過ごしでしたか。
事務局は、2017年新春授業開始前に、全員で明治神宮へお参りをしてまいりました。
明治神宮は、参拝客にあふれているにもかかわらず、都会のど真ん中とは思えないほどの神聖な空気感に圧倒されます。
先日、外国人の方が、日本人は年に1回しかお参りに行かないなんておかしいとテレビで言っていましたが、確かに一神教の方々からみると信心が足りなく見えますよね。
でも、年に一度の信心こそ、八百万の神を信じる日本人なのではないでしょうか。
かまどの神様、土の神様や水の神様やあらゆるところに神様はいらして、八百万の神様に常に見守られている、見守られている私たちはなんということなく常に感謝しているのです。
こんな素敵なやさしい国が、悲しいロクでもない国にならないように、日本人ひとり一人がしっかりと考え、想いをもって日々を過ごしていけたらと願っています。
元旦の朝日新聞を開いたら、目に飛び込んできたのが山本むつみさん。
こりゃ春から縁起がいいわい!(笑)
ドラマの特集があり、出身ライター山本むつみさんがインタビューに答えていらっしゃいました。
山本さんは元編集者。編集者と脚本家の二足のわらじを2年続け、その後脚本家専業になられました。
山本さんは、後進には今の仕事を安易に辞めないようにと説くそうです。
「脚本家の仕事は苦しいし、仕事も不安定。『脚本家になりたい』と相談されたら、一度はやめた方がいいよと止めます。それでもやりたいと突き進むような人が、脚本家に向いているのだと思います」
脚本家に限らずどんな仕事でも、本当に、覚悟がいるのだと思います。
特に創作の仕事は、これが正解というものがないだけに、才能や才覚だけでも、地道な努力だけでも、人柄だけでも成り立ちません。
それでもプロを目指すなら、基本をしっかりと学んでほしいと思います。なぜなら、感性だけではドラマは作れないからです。
僅か一言の決めゼリフは、そのセリフひとつが良いのではなく、そのセリフを際立たせるシーンが積み重なってこそ、初めて決めゼリフとなるのです。
そこへ持っていくのが脚本家の仕事です。
脚本家は、論理的な組み立てを、自分の感性を通して、感情的な(感情を揺さぶると言った方がいいでしょうか)表現に変えていくのです。
シナリオを書くことは、とても面白いことです。だけど、苦しい。だけど大変。だけれどもやめられない。
プロになるということは、山本さんがおっしゃるように厳しいものですが、それでもなお、突き進んで欲しいと思います。
あなたにとって、飛躍の年になることを心から祈りながら、今年もご一緒に学んでいきたいと思います。よろしくお願い致します。