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ストーリーはパターン。シーンがドラマを生む!

さぁ、2017年の年明けです!
明けましておめでとうございます。シナリオ・センターの新井です。

シナリオ・センターは、今年47年目。2017年1月7日から授業開始です。七並びのラッキーセブン!もういい年にしかなりようがない!しかも、47年目ということで今年は47(シナ)リオの年と銘打って、みなさんの創作意欲を刺激していきたいと思います。みなさんも、講座で、ゼミで、シナリオを書きまくってください!

ということで、今年一年のテーマを考えてみました。
何だと思います。この流れ…もしかしてダジャレ??するどい!

2017年のテーマは、「シーン(新)感覚を研ぎ澄ます!」です。
どうです。くだらないでしょ。
でも、もう代表が、「シナリオ・センターの47年目は47(シナ)リオの年だ!」ともじり始めちゃったから乗るしかないじゃないですか。どうせ乗るなら、乗り切っちゃえということで、今年のテーマなのであります。皆さん、どうぞ、乗っかって下さいませ。

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でもね、「シーン感覚を研ぎ澄ます!」ってとっても大切なことなんです。ふざけてばかりではありません。シナリオ・センター創設者の新井一も言っています。

「ストーリーはこうなっているからと言って、登場人物の感情を無視して、ストーリーに辻褄を合わせてドラマを進行させるのを<段取り芝居>というのです。
ストーリーに合わせて登場人物は語り、行動をするので、その登場人物には血も肉も無く人形化してしまうのです。こんなことで人間は絶対に描けません」 新井一著『シナリオの基礎技術』p228より

ドラマとは、人間を描くことです。
それは、シーンの中で感情的に動いている登場人物を描き切ることです。ストーリーに合わせるのではなく。

なぜか?それは、ストーリーとドラマの違いにあります。

 

ストーリーの宿命をドラマで越えて行け!

ストーリーというのは、物語の流れです。ああなって、こうなって…というのがストーリーです。このストーリーというのは、大きな宿命を抱えているのです。ある意味、残酷な宿命を・・・

ストーリーの宿命とは何か?
それは、パターンだということです。シナリオ・センターの創設者の新井一は、ストーリーは23パターンだと言っています。36パターンという方もいます。シナリオ・センター講師の柏田道夫は、ざっくりと5パターンだとも言っています。

ここで大切なのは、分類の仕方ではなくて、ストーリーというのはパターンだということです。これが、ストーリーが抱える宿命なわけです。小説だろうと、一緒。宿命ってくらいだから、逃れられないんです。
なので、よくある批評で「どっかで観たことのあるようなストーリーだ」なんて言っている人がいたら、鼻で笑ってやってください。「そりゃ、ストーリーはパターンだからねって。なに、ふつ~のことを、偉そうに言ってんの?」って。

 

ストーリーのパターンを越える、それがドラマだ!

ストーリーがパターンなら、どうしてこうも無数にドラマがあるのか!?
そのカギとなるのが、シーンです。

ちょっと映画館に行くときのことを想像してください。
「全米が涙した、感動のラブストーリー」
という触れこみの映画があったとします。2時間、1800円を払って観に行くわけです。もうラブストーリーって、知っているのに。あの俳優とあの女優が、くっついたり別れたりするんでしょってわかっているのに。お馴染みのパターンなのに…

なぜストーリーはわかっているのに、わざわざ映画館に行くのか。
それは、“どういう風に”くっついたり、別れたりするのかを観たいからですよね。

そう、“どういう風に”というシーンを観たいから、私たちは映画館へ行くのです。リピーター続出の『逃げるは恥だが役に立つ』も『君の名は。』も『シン・ゴジラ』も、お気に入りのシーンが観たいから何度も劇場へ行くわけです。ストーリーではなく、シーンを描く力を皆さんに身につけて頂きたいのです。だからこその「シーン感覚」です。

魅力的なシーンが連なって、一つのストーリーになります。でも、ストーリーを作るためにシーンを作ってはダメなんです。言うなれば、都民ファーストならぬ、シーンファースト。シーンファーストで、レガシーなクリエイティブを、アーカイブするイヤーにしてほしいのです。

 

繰返しまくりますが、2017年は「シーン感覚を研ぎ澄ます!」です。
そして、皆さんの力で、パターンという宿命を背負ったストーリーを、魅力的なドラマへ昇華させてあげてください!2017年、シナリオ・センターは、皆さんの新(シーン)感覚が研ぎ澄まされるように応援させて頂きますので!
シナリオ・センターの新井でした。

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