シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
シナリオ・センター47周年 47(シナ)リオの年 年頭企画
「コンクールシナリオ自己分析講座~S1、ヤンシナ直前スペシャル~
浅田直亮講師(シナリオS1グランプリ審査員)
先日実施したこちらの講座、定員60名を大幅に上回り、キャンセル待ち続出。
「ご参加いただけなかった方々、すみませんでした」の気持ちを込めて、講座に参加したわたくし齋藤が、特に「!」と思ったことをご報告いたします。
今回の講座で、大事なポイントの1つとして挙げられたのが…
葛藤です。
葛藤のパターンは2つ
① 主人公が対立する2つの気持ちの間で揺れ動くパターン
② 目的に向かおうとする主人公が繰り返し障害にぶつかるパターン
なぜ、葛藤がポイントなのか。それを実感するため、ペラ1枚のシナリオのプリントが配布されました。
そのシナリオには、葛藤が入っていません。
3人1組になって、どの部分に、どんな葛藤を入れるか、ブレストしていきます。
例えば、息子が母親に100年以上続いた店を閉めようと告げるシーン。
■元のシナリオ:
田所:「母さん、100年以上続いた店だって分かってる。でも、もう止めよう。閉店して下さい」
↓
■私たちのチームが入れた葛藤:
息子が言おうとすると電話が鳴り、また言おうとすると宅配便が来て、また言おうとするとお客さんが来て「このお店があって良かった!」と言われてしまう。
――とこんな感じに、他の部分にもどんどん葛藤を入れていきます。すると、ペラ1枚では収まりきれないボリュームになり、「それからどうなるの!?」と次の展開が気になるシナリオになっていきました。
このトレーニングを踏まえて浅田講師はこう言いました。
【こんな感じでペラ1枚に葛藤をどんどん入れていくと20枚シナリオになります。つまり20枚シナリオは、話の中身は1~3枚ほどで、あとの内容は「葛藤」というイメージなのです。20枚シナリオに関わらずコンクルー用に100枚200枚のシナリオを書くときも、このイメージを持ってほしいのです。葛藤させればさせるほど視聴者は感情移入し、感情移入すればするほど「面白い」と感じます。だから沢山、葛藤させて下さい。そして、シナリオを書き終えて修正するとき、葛藤が足りないと感じたら葛藤を増やして下さい。そうすると、全体のページ数も増えます。ではどこを削ればいいか? 葛藤していないシーンをバッサリ切りましょう】
このコメントを聞いて思いました。
生徒さんから「20枚シナリオを書いているとき20枚で収まりきらなくなってしまう…」とよく相談を受けます。このお悩みを、今回の講座で知った浅田流で解決しましょう。
例えば、20枚シナリオを書いていて、30枚になってしまった。
そんなときは、葛藤していないシーンをバッサリ切って20枚にする。
もしくは、「ここは外せない!」というページを10枚くらい選んで、そこに葛藤を入れて20枚にする。
そうすれば、より面白いシナリオに変身できるのではないでしょうか。
コンクールで受賞した生徒さんから「受賞した作品は20枚シナリオがもとになっています」とよくお聞きします。
シナリオS1グランプリやフジテレビ ヤングシナリオ大賞など、コンクールに応募するにあたって、
いちから書いてもよし、20枚シナリオから発想を広げて書いてもよし。
どちらにせよ、
出来上がったシナリオを読んで「ものたりないな…」と感じたら、
葛藤をプラス!
第32回シナリオS1グランプリの締切は2月20日(月)20:30必着です。
第19回を最後に、それ以降グランプリが出ていません。
皆さん、この壁をぜひ、打ち破ってください!