シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。東京は、昨夜から雨です。久しぶりの雨にホッとしています。生きものは、晴天も曇天も雨も雪もあって、生きていけるわけで、そこのさじ加減を神様がちゃんと考えてくれていると信じているのですが・・・。21世紀になってから、どうも配分がうまくない気がします。
3月は卒業式シーズンです。来週あたりから、はかま姿の女子大生が、表参道を賑わしてくれるでしょう。 若い方々が巣立っていく姿は、歳のせいでしょうか、華やかで爽やかで、みていると嬉しくなります。
シナリオ・センターには、厳密な卒業がありません。
新井一は「デビューした時が卒業」と言っていましたけれど、それも土橋章宏さんのように在籍ライターもいらっしゃるので、なんともいえません。(笑)
基礎講座は、シナリオ作家養成講座6ヶ月、シナリオ8週間講座は2ヶ月と修了は決まっていますが、その上のゼミナールは、本数制。
20枚シナリオを本科で20本、研修科で30本を書いていただきます。
毎週書くというのが基本ですが、それぞれのペースで書かれてまったくOK。どちらかといえば、毎週きちんと課題提出される方は少ないです。(笑)
それでも、書き続けていけば、出身ライターになる。だからこそ、業界一センター出身の方々が活躍してくださっているわけです。
ご自分のペースで、卒業めざして頑張って下さい。
書く時間はご自分のペースでよいのですが、作品はENDマークまで書いていただきたいです。
途中で挫折されてENDマークまで書けなかった・・・という方は、案外いらっしゃると思います。 「無理矢理にでもENDマークまで書け!」というのが、プロの脚本家の多くの方々がおっしゃっている言葉です。
最後まで書いてみると、本当に何が必要なのか、不要なのかが見えてきます。
途中で挫折する大きな問題は、ストーリーを追いすぎるからです。
倉本總さんもおっしゃっていたように、物語の根っこはキャラクターですから、人がどう動くかを常に考えながら、枝葉をつけていきたいものです。
勉強になる本のご紹介を一つ。
ラストシーンは、大事ですよね。ラストシーン=結の目的は、余韻ですから、心に残るシーンにしたいです。どうさればいいか。名作のラストシーンはどんなものだったのか。
脚本家桂千穂さんが書かれた「エンタムービー ラスト3分にシビレた映画 1945~2016」(メディアックス刊)
ラストシーンを徹底的に総括した本です。研究してみるのも手ですね。