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【シナリオの技術で営業力2割増し講座】人と話すとき「この言葉は何セリフだろう?」と意識してみる

とある銀行の窓口で、用事を終えて帰ろうとすると、担当してくれた女性から新サービスの案内を受けました。
その担当者は一息にこう話しました。

「現在の定期預金では、金利が低いと感じますよね。何か違う方法があればなぁと思いますよね。賢い方はこちらの新サービスをご利用頂いておりますが、いかがですか?」

これを受けて私が喋ったのは「……、検討します」。

新サービスについて一生懸命に話してくれましたが、「金利が低いと感じますよね」と「何か違う方法があればと思いますよね」の質問について、どちらを応えればいいか分からず、結局、何も応えることができませんでした。

人に何かを紹介するとき、せっかくオススメのものなのだから、聞く人の気持ちを動かしたいですよね?

人の気持ちを動かして、成果がでる営業を目指すためにはどうすればいいか。

そのテクニックをご紹介すべく、先日、「シナリオの技術で営業力2割増し講座」を実施しました。講師は新井が担当。



 20170223a  20170223b


私にはこの銀行の一件があったので、新井の講義を聞いて特に強く感じたことがありました。

それは、
人と話すとき「この言葉は“何セリフ”か?」を意識しよう!


というのは、新井のこんなコメントがキッカケ。


【お客様の気持ちを動かしにくいセリフというものがあります。その1つが「過剰セリフ」。
過剰セリフは、1つのセリフにテーマが2つ以上あるセリフのことです。例えば、「夏は海に行ったりしたいよね?その分、冬は家にいたいよね?」。この過剰ゼリフを営業の場面に置き換えると、見積もりや提案の話をするときに起こりがちです。例えば、「こちらの内容で、こちらの金額でよろしいでしょうか」。内容のことなのか、金額のことなのか、何を聞かれているのかハッキリしないので、相手が応えに困ってしまいます。
また、相手に応えられても困ってしまうのです。さきほどの問いに「いやー、ちょっとそれは…」と返されても、内容と金額のどちらに「いやー、ちょっとそれは…」と言っているのか分かりませんよね。つまり、過剰セリフだと、お客様がどう考えているのか、確認できないのです】

内容は少し違いますが、私があのとき銀行で体験したのは過剰セリフだったと気づきました。
過剰セリフだったから、私は何を応えればいいのかが分からなかったのです。

思い出してみると、あの窓口の担当者は、スラスラスラと一息にあの過剰セリフを話していました。

おそらく、過剰セリフがクセになってしまっているのではないでしょうか。

そして、自分がまさか過剰セリフを喋っているとは気付いてないでしょう。

この“過剰セリフがクセになっていること”に「怖い!」と感じました。

加えて、「私も気づかないうちに過剰セリフになっているときがあるかも…」と考えると、さらに怖くなってしまいました。

人に何かを説明するとき、その情報を正確に丁寧に話そうとしますよね。

でもその意識がかえって、1つのセリフに2つ以上のテーマを詰め込んでしまい、伝えたいことが全く伝わらなくなってしまう。

怖すぎる!

だから、このクセを直す手始めとしてまず、「自分はいま何セリフを話しているのか」を都度意識することが大切なのではないでしょうか。


これはシナリオを書くときも同じです。

『シナリオの基礎技術』には、過剰セリフについてこんな記述があります。


〈なぜ初心者は過剰セリフになるか、それはシーンを書こうとしても画面が思い浮かばないから、いきおいセリフで安定させようとするのです。従ってその場合は、ト書だとか、雰囲気で表せるものまでいってしまうことになるわけです〉

 

これはよくやってしまいがちです、私…。
小道具もシャレードも使わず、なーんでもセリフで説明してしまう…。
気づけばシナリオは、セリフの嵐…。

無意識のうちにやってしまうのは、自分の中に「言葉で言えば伝わるだろう」という考えがあるからだと思います。
この考えが根底にあるから、営業トークのときも、シナリオを書くときも、過剰セリフになってしまう…。

だからこそ、人に話すとき同様、シナリオを書くときも、「このセリフは何セリフなのか?」と意識することが大切なのでは。


過剰セリフの他にも、人の気持ちを動かしにくいセリフがあります。

なんだと思いますか?
ぜひぜひ、『シナリオの基礎技術』をもう一度読んでみてください。
人に話すときとシナリオを書くときの共通点を探してみると、また何か新たな発見がありますよ!

過去記事一覧

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