シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。寒いんだか暖かいんだか・・・4月は思えませんね。
昨日今日と、説明会でいただいたご質問の返事に、必死に格闘しています。
メールでお出しした方から、早速にレスポンスをいただくと腱鞘炎も吹っ飛ぶくらい嬉しいです。
人は、人と結びついていたいものだとしみじみ思います。私の想いが伝わった、わかってくださった・・・ホント、嬉しいのです。
昨日は、第1回市川森一脚本賞の授賞式にお伺いしました。
この賞は、一昨年急逝された脚本家市川森一さんの業績を讃え、物語性に溢れ、ロマン豊かで、チャレンジングな作品を執筆した脚本家を選奨するもので、次代のドラマ界を背負って立つ、一流作家の登竜門です。
対象は前年1月から12月までに放送されたテレビドラマ。現役のプロデューサー(ディレクター)が合議して、選考します。
市川先生は、シナリオ・センターでも色々お話していただき、お力添えを賜りました。センター創立40周年の時に「一億人のシナリオ。プロジェクト」にたいへん賛同してくださり、「なんでもお手伝いするよ」とおっしゃってくださいました。
亡くなる2週間前、担当の新井には、もう死期が迫っていらっしゃったにもかかわらず「大変な道だけれど頑張りなさい」と励ましのメッセージをわざわざくださいました。悲しいことに遺言となってしまいましたが。
シナリオ・センターの出身ではありませんが、新井一の「シナリオ基礎技術」を信奉してくださり、新井一が作った「10則集」を手帳にいつも持ち歩いていらしたほどです。
若い人を常に育てようとされていた市川先生は、若い新井をとても可愛がってくださって、様々なことを教えてくださり、お力添えを賜りました。
ありがとうございました。
授賞式では、そんな市川先生の遺影を拝見して、万感迫るものがありました。
市川先生の若手育成への思いを形にした、若い脚本家のための市川森一脚本賞は、若手の脚本家の大きな励みになるものと思います。
第1回目の市川森一脚本賞は、受賞対象作品「恋するハエ女」(NHK)の大島里美さん。おめでとうございます。
長崎県民栄誉賞の市川先生の故郷から、長崎県知事もいらして長崎県知事賞、長崎市長賞、諫早市長賞と贈られました。
大島さんは「市川先生の脚本からドラマを越えた人の生き様を感じた。市川先生が書かれた、ただただ憧れてしまういくつものシーンに力をいただきながら、目の前の物語の中で、一歩一歩挑戦していきたいと思っております。」と受賞のお言葉を述べられていました。
その後、長崎県知事から、総理大臣賞の日本一の五島牛とカステラをもってきたので、味わってくださいとの言葉をいただいて祝賀パーティーとなりました。
しかしながら、勤勉な小林は、それらをすべて振り切って、シナリオ・センターへ戻り、質問のお返事に没頭したのでありました。(笑)
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毎日出身ライターのどなたかがテレビに書いていない日はないというすごい事実。