本打ちで“収穫”が少ないのは共通言語が明確ではないから
〇制作会社・会議室・中
プロデューサー「このシナリオ、なんかイマイチ面白くないんだよね…」
シナリオライター「……」
こんなシーンが実際に、制作会社のプロデューサーとシナリオライターの間で行われています。
「シナリオ・ライターあるある~本打ち編~」と言えます。
「なんかイマイチ面白くない」と言われても、シナリオライターは困ります。
どこが、どうして、面白くないのか、分からないからです。
面白くない根拠が分からなければ、どう直していけばいいかも分からないですよね。
でも、プロデューサーも同じく困っているのです。
どこが、どうして、面白くないのかを、どうやって伝えればいいかが分からないからです。
つまり、プロデューサーとシナリオライターとの間に、脚本の技術における「共通言語」が明確になってないのです。
脚本の技術における共通言語を明確にもてば、
どういうものが面白くて、なぜ面白いのか。
どういうものが面白くなくて、なぜ面白くないのか。
どうしたら、面白くなるのか。
――を、ロジカルに説明できるようになります。
共通言語があればプロデューサーもシナリオライターも困らない
シナリオ・センターでは、現場のスタッフの方々とシナリオライターとの共通言語をつくるお手伝いとして、シナリオ研修を行っております。
先日、シナリオ研修を既に受講された企業さんの情報を耳にした、ある制作会社さんから「うちもぜひ!」というご依頼を頂きました。
お話しする中で、どんな感じなのか実際の様子を知りたいというご要望にお応えしまして、シナリオ研修の“ダイジェスト版”をお見せしながら講義内容のご説明をさせて頂くことになりました。
当日。
ダイジェスト版を担当する新井とともに、田中とわたくし齋藤がお邪魔しました。
近未来のようなエレベーターに乗り、ぐんぐん上へ。
「高い…」とそっと下を覗く田中。
「隣のビルの屋上を超しましたね~」とはしゃぐ齋藤。
あれ?新井の声が聞こえない。なぜか拳を握っています。
緊張しているんだろうな、と思いながら、お部屋に通していただくと
贅沢な眺め!
「綺麗ですね~」と話しかけても、新井は反応しません。
実は新井、高所恐怖症だった…。
緊張してたんじゃなかったのかーーー!
そう思っているうちに、始まりました。
高所恐怖症はどこへやら、説明に熱がこもります。
ダイジェスト版といえども、必要性を実感してもらえなければ、研修として取り入れて頂けないですからね。
「構成」「キャラクター」「セリフ」「映像表現」「脚色」を解説するとともに、ここを抑えるとどうなるか、も説明していきます。
例えば、構成の部分で起承転結の機能が理解できれば、本打ちのとき、「このシナリオ、なんかイマイチ面白くないんだよね…」ではなくて、「承の部分で、主人公を困らせるところが弱いから、感情移入できないんじゃない?」とロジカルに指摘できます。
こんなふうに指摘されれば、シナリオライターだって、「そっか!」と納得感も上がるし、「だったら…」と新たな提案をその場ですることもできます。
共通言語がないとあるのとでは大違いですよね?
シナリオ研修はいい作品を作るため
今回、ダイジェスト版を体験されたプロデューサーの方からは「すぐにでもやって頂きたい!本当に共通言語が必要なんです!」との感想を頂きました。
ダイジェスト版終了後、「もっとこういうことも教えてほしい!」という要望もお聞きします。
それを受けて、その企業専用のシナリオ研修カリキュラムをつくり、実施させて頂きます。
シナリオ研修は、新人の方にとってはシナリオの基礎を学ぶ機会として、すでに経験がある中堅の方にとっては今までやってきたことの確認やおさらいとして、ご活用いただけます。
プロデューサーも、シナリオライターも、モノづくりする人たちの気持ちはみな一緒。
「いい作品を作りたい!」。
その想いはシナリオ・センターも同じです。
「シナリオ研修、受けたいけどどうしようかな…」とお考えでしたら、ダイジェスト版もございます。
いい作品を作るために、シナリオ研修をぜひご利用ください!
実際のシナリオ研修の模様については「本打ちを成功させる脚本家とプロデューサーの関係」をご覧ください。