「シナリオ界の伊達公子さんだ!」
『月刊シナリオ教室』編集長の前田が叫びました。
出身ライターの吉田弥生さん。出産・子育てを機に、少しお休みされていた吉田さんが13年ぶりに再始動。その第1作目が連続ドラマW『春が来た』。WOWOWプライムにて2018年1月13日(土)22:00から放送されます(全5話/第1話無料放送)。
『月刊シナリオ教室』でのインタビュー掲載に先立ち、吉田さんにコメントをいただきました。『春が来た』の見どころのほか、子育てと脚本執筆の両立をされている吉田さんならではのコメントも。これは脚本を書く上で、そしてジャンル問わず仕事をしていくうえでも参考になりますよ。
Q『春が来た』の「ココは一番注目してほしい!」というところを教えてください。
向田邦子氏の短編小説「春が来た」を現代に置き換えて脚色。
主人公の恋人役に、国際的アーティストグループ「EXO」(エクソ)のメンバーであるカイを抜擢するという企画の斬新さに、まず注目してください。
もちろん向田作品に特徴的な家族の複雑な関係性と、その中にある絆のあたたかさ、再生していく力強さ、家族に変化をもたらす「恋」の力……等々、みどころはたくさんあります。
中でも倉科カナさん演じる「直子」が、初めて恋を知ることで自分を大きく変えていく様子、死んだような地味~な毎日を送っていた彼女が家族にも影響を与えながらキラキラと変わっていく、その姿を見てください。
恋は生きる喜び。世界をまるごと変える力。そんなメッセージが伝わればと思います。
Qご執筆された中で、「ココは外せなかった!」というシーンはありますか?
最終話を書き終わったあとも、大小さまざまな修正箇所がたくさん出てきました。
「これで最後の直しだから」というプロデューサーの言葉を信じ、打ち合わせに向かう電車の中で「この地下鉄に乗るのも今日で最後か」としみじみしていたのは最初だけ。何度も続くうちに全然しみじみしなくなり、出るのは溜息ばかり。これ永遠に終わらないのかも、とすら思えました(笑)。
プロデューサーからは「何回も『これで終わり詐欺』をして、スミマセン」と謝っていただいたし、作品を良くするため、関わる人々すべてに納得していただくために、避けては通れなかったこと。ということで、今では懐かしい思い出です。
Qシナリオ・センターの後輩に向けて、ひとことお願いいたします!
もしあなたが今、その壁を越えられないとしたら、それは才能や能力、運命のせいではなく、「運動不足」のせいかもしれません。
筆力の源は、体力と気力。ライターも一種のアスリート。だまされたと思って、今日からスクワットを始めてください。
最初は1日1回でOKです。毎日1回ずつ増やしていけば、3か月後にはきっと何かが変わっているはず。
一緒にがんばりましょう!