楽しいのは自分だけ
こんにちは、エンゼル浅田です。あなたのシナリオをパラダイスに導きます。
主人公のキャラクターのイメージが、ばっちり固まったら、次に何をしますか?
いよいよストーリーを考える?
う~ん、それで面白いストーリーができるのなら、いいんですが……。
何度も書いていて耳にタコかもしれませんが、ストーリーを考えて面白くなることは、めったにありません。
面白いストーリーを作る一番のコツはストーリーを考えないことなんです。と申し上げると、必ず「でもストーリーを考えちゃうんです」という方がいます。
というか、ほとんどの方が、ついついストーリーを考えてしまうのではないかと思います。
だって、ああなって、こうなってとお話を考えるのは楽しいですから。
つまり妄想ですね。妄想の世界では自分勝手に何でも思いのままです。
こんなに楽しいことはないでしょう。
なので、ストーリーを考えるなとは言いません。
あれこれストーリーを考えて、妄想を楽しむだけ楽しんでください。
でも、楽しいのは自分だけです。そのストーリーで人が楽しいと思ってはくれません。
例えて言うなら、新婚カップルの家に遊びに行って、結婚式のビデオを見せられるようなものです。
楽しいのは本人たちだけ。見せられた方は、たまったものじゃありません。
苦痛以外の何ものでもありません。あなたが自分では面白いと思っているストーリーは、そんなものだと思ってください。
なので、ある程度までストーリーを考えたら、よし、今度は自分が楽しむんじゃなくて人が面白いと思うように、一から考え直してみよう! と気持ちを切りかえてみてください。くれぐれも自分の考えたストーリーに固執しないように。
それは新婚カップルに見せられた結婚式のビデオなんだと、肝に銘じてください。
で、まず何を考えるかというと、主人公を困らせることです。
ちょっと思い出してみてください。自分が「面白い」と思った映画やテレビドラマ、主人公を困らせていませんでしたか?
主人公を困らせると観客や視聴者は、どうするかな? どうなるかな? と引きこまれます。
そして、困らせれば困らせるほど、より引きこまれるので、まず主人公を困らせ、次々に困らせ、もっともっと困らせ、常に困らせ、とことん困らせ、最後の最後まで困らせ、さらに、もう一つ困らせるよう考えてみてください。
観客や視聴者は、ぐいぐい引きこまれて「面白い」と感じてくれます。