爽やかに
シナリオ・センター代表の小林です。初夏は緑がきれいで、私は一番好きな季節です。
緑の鮮やかさは、桜にも紅葉にも負けません。俳句の季語でいうと、「山滴る」。
いかにも緑が溢れかえっている感じがしませんか。
ちょっと汗ばむけれど、紫外線はメチャ強いけれど(笑)、5月の風は爽やかです。
今日は、小説家柚木麻子さんのミソ帳倶楽部です。
柚木さんは、柚子はお好きなのかなあとか勝手に想像しています。(笑)
なにはともあれ、もう少しすると5月の風のように爽やかにご登場下さるかと思います。
見つめる目
最近の社会的なことがあるのでしょうか。世に問うお芝居が目白押しです。
いつも戯曲講座でお世話になっている劇団青年座さんは6月22日から「安楽病棟」。本多劇場
帚木蓬生さん小説を劇団温泉ドラゴンのシライケイタ氏が劇化したもので、精神科でもある原作者の帚木さんの「安楽死」を真っ向から見つめた問題作です。
橋田壽賀子さんが「安楽死で逝かせて」といって大きな社会問題になりましたが、本当に難しい問題です。 「死」を本人の意志で決めることが是か非か、超高齢化社会に突入した日本にとって日本の存続にもかかわる問題かもしれません。
青年劇場は「分岐点」5月18日から紀伊国屋ホールで。
お金と幸福とどちらが本質なのでしょう。
経済を(マネー)絶対だと信じ都市部で働く男と、都市部を捨てて地域社会と共に生きようとする男の数奇な運命を描きます。 お金がなくては幸せではないのか、お金では幸せは買えないのか、幸せの本質とは何か・・・あなたはどう思いますか。
出身ライターの中島直俊さんが、「人は見た目が9割」で評判を博した竹内一郎さんと共作された「若者たち2018」が5月24日からシアター1010で。
こちらは前進座の座付き作家であった津上忠さん追悼公演として、演劇集団ワンダーランド(竹内一郎さん主宰)と平石耕一事務所との提携公演で二本立てです。
大きなタイトルは「戦争と日本人」。平石事務所は「平成のほほえみ」を上演します。
二つのお芝居は、なんとなくきな臭い、なんとなく怪しい方向へといきそうなそんな現在に、日常に潜む戦争を描いて、警鐘を鳴らします。
お芝居を観ることで自分が何を考え、どう感じ、なにを想っているかを突き付けられることがあります。
密やかに怪しく変わって行く社会を見つめ直すきっかけになったりします。
ものを描くこと、創作の道を志す方々は、常にこうしたアンテナを張り巡らして他人の声を素直に聴く態勢を保ち、ご自分の感性を磨くことが必要なことだと思っています。