「シナリオ」を用語解説
「シナリオ」という言葉は、色々なシチュエーションで使われます。
エンタテイメントで使われる「シナリオ」は、ドラマを映像にするための設計図のことを意味します。
※ドラマとは何?という方は、こちらから
新村出編『広辞苑』では、
「シナリオ【scenario】映画・放送などで、場面の順序、俳優の台詞(セリフ)・動作などをしるした台本。脚本。」
と、表記されています。
政治用語としても「シナリオ」という言葉がよく使われます。
例えば、「政権奪回へのシナリオ」「復興へのシナリオ」「オリンピック成功へのシナリオ」などなど…
ビジネスでも、「シナリオ」という言葉が使われます。
例えば、「営業のシナリオ」「シナリオプランニング」「想定シナリオ」などなど…
政治界、ビジネス界で使われる「シナリオ」は、構成(筋書き)というピンポイントな場面で使われることが多いようです。
ビジネスシナリオとは?という方は、こちら>>ビジネスシナリオとは ?ビジネスでのシナリオ活用法 をご覧ください。
そこで今回は、そもそもシナリオとは何か?について、600名以上のシナリオライター(脚本家とも呼ばれる)を輩出し、毎クールの連ドラ7割以上を出身ライターが執筆しているシナリオ・センターが解説します。
出典:「シナリオの基礎技術」「シナリオの技術」(新井一 ダヴィッド社)
エンタテイメントでの「シナリオ」の役割
シナリオは、映画やテレビドラマにおける設計図の役割です。この設計図を基に、監督がどう撮影するか、俳優さんがどう演じるかを、考えていきます。それだけではなく、美術さんがどのような美術や小道具などが必要か、衣装さんがそれぞれの登場人物にあった衣装は何か、などを考えていきます。
ものすごく簡単に言えば、映画のエンドロールに流れる人々が、シナリオという設計図を基に力を合わせて、映像にしています。
エンタテイメントにとって、とても重要な位置にあるのがシナリオといえます。
映像に関わるすべての人は、シナリオが読めないと、仕事にならないともいえます。
事例:いい作品を作っていくには共通言語
シナリオの3つの要素
設計図としてのシナリオは、「柱」「ト書」「セリフ」という、非常にシンプルな要素でできています。
「柱」は、場所と時間帯の指定をします。
「ト書」は、状況や人物の動作やしぐさなどを描きます。
「セリフ」は、登場人物が話す言葉です。
詳細:初心者からわかる!シナリオ・脚本の原稿用紙への書き方
シナリオは、3つの要素で書けばいいため、描くこと自体は、小学生からお年寄りまで楽しむことができます。実際に小説などと比べ、身近な芸術と呼ばれています。
事例:子どもでもサクサク書ける物語の書き方
シナリオと文書表現との違い
小説に代表されるような、書いた文章それ自体が目にされ、作品や表現として完結するものを、文章表現と呼びます。上述したように、ドラマを描く、という意味では、小説などにもシナリオの技術を応用することができます。
では、シナリオと文章表現の違いは何でしょうか?
シナリオは、小説などと同じように文字で表現しますが、映像表現と呼ばれています。シナリオは、映像化することを前提しているため、映像に映るものだけを描きます。
そのためシナリオには、事実説明や心理描写を書く必要はありません。
例えば、【太郎は、悲しい気持ちで立ちすくんでいる】
とシナリオに描いても、映像に映るのは、ただ立っている太郎の姿です。
そのためシナリオでは、目に見えない太郎の悲しい気持ちを、セリフやト書などで表現していきます。目に映るものだけで、ドラマを描く。これこそが、シナリオと文章表現の違いであり、シナリオの魅力です。
シナリオが活きるジャンル
シナリオが描けると、どのようなジャンルでそのスキルを活かすことができるのか。きっと、あなたが挑戦したいジャンルもあるはずです。
・映画
・テレビドラマ
・アニメ
詳細:アニメの脚本家になりたい人に必要な心得
・マンガ原作
・ラジオドラマ(オーディオドラマ)
※ラジオドラマは、独特の魅力があるステキな世界です!
・舞台の脚本
・ゲーム
※シュミレーションゲームや恋愛ゲーム、パズルゲームにもシナリオがあります。近年、シナリオライターの需要が非常に多い業界です。
事例:ゲームシナリオライター が、より面白いゲームを提供するにはシナリオが大切
・CM / PR動画
※ドラマ仕立ての作品が増えてきたことで、広告業界の方がシナリオを学ばれる機会も増えています。
詳細:PR動画 を作るには?
以上が、映像的な表現メディアでの活用例となります。
また、ドラマを作るシナリオの技術や発想を活かすと、以下のようなジャンルにも対応できます。
・小説
・ライトノベル
・絵本
・童話
・エッセイ
・ブログ
詳細:出身ライター活躍状況
シナリオとは何か、一番よくわかる方法は…
以上、シナリオとは何か、脚本とは何かについて、シナリオライター養成学校として考えてみました。
シナリオとは何かを、一番よくわかる方法は、何よりも実際にシナリオを描いてみることです。百聞は一見にしかず!です。シナリオを描きたいと思ったら、お気軽にシナリオ・センターまでお問合せください。
2020年6月から、通学の講座もオンラインで受講することができます。シナリオ・センターの基礎講座は以下の通りです。
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