営業力が身につく、シナリオ営業研修
シナリオ・センターの新井です。
営業力という、漠然とした言葉。ですが、営業に携わる方なら、誰もが上げたいと願うものです。では、営業力とは、どうすれば上げることができるのでしょうか。
シナリ・センターが実施しているビジネスシナリオでは、大手住宅メーカーの営業担当者向けの研修も実施しています。その中から、営業力を上げるための二つのポイントをご紹介します。
ビジネスシナリオとは何?という方は、こちら
ビジネスシナリオとは ?ビジネスでのシナリオ活用法 まとめ
ビジネスシナリオの肝は、相手のことを考えること
「ホットコーヒーお願いします」
と、喫茶店で注文をして、アイスコーヒーが出てきたら「えっ、ちょっと!」となります。寒くて温かいものが飲みたいという背景と、飲んで暖かくなりたいという事情にそぐわないからです。
この現象、私たちの会話でも起きます。例えばシナリオ・センターの受講を検討している方が小説家志望だとします。その方が一番知りたいのは、「なぜ『シナリオの基礎技術』によって、600名もプロが生まれたか」ではなく、「私が書きたい小説に役立つのか」です。
講座の受講を検討する時、住宅の購入を検討する時、だれもが固有の背景・事情を持っています。この背景・事情に沿う話をすることで、「それが知りたかった!」「なるほど、私に良さそうだ!」となります。
営業の技術にシナリオの技術を
テレビCMでもお馴染みの住宅メーカーは、商品に対する自信があります。そのため若手営業業担当者は商品説明が多くなりがちです。
ですが、それではお客様の気持ちは動きません。
単なる商品説明ではなく、お客様の背景・事情に沿った提案力が必要になります。
営業はシナリオ発想がベース
なぜお客様は展示場に来たのかという背景と、どんな生活をしたくて展示場に来たのかという事情を掴み損ねると、お客様との信頼関係は生まれません。「えっ。ちょっと!」となってしまいます。営業担当者に必要なのはお客様の背景・事情を掴む発想と技術です。
そこでシナリオの発想と技術が効果を発揮します。シナリオを書くときは、登場人物全てのキャラクター、背景・事情を考えます。まずは日常の折衝とは関係のない恋愛シナリオを書いて、ワイワイガヤガヤとやる中でシナリオ発想が身につきてもらいます。
お客様のアンチテーゼを理解せよ
お客様の背景・事情はお客様のセリフにこそ表れます。でも、お客様もそう簡単に教えてはくれません。なぜなら、展示場に来るお客様は、「買えたらいいなぁ」という期待の半面、営業担当者に売り込まれないか、売りつけられないか不安です。住宅の場合は、そもそも自分たちに購入できるのかという不安もあります。
つまり営業担当者の自社商品を購入してほしいというテーマに対して、「このメーカーはよさそうだけど、決めて大丈夫かしら」というアンチテーゼがあるのです。まさにドラマの構成と一緒です。だからこそ、お客様のセリフを聞き逃さずに、背景・事情を掴まないといけないのです。
小手先の「言い方」や単純な言い回し、では、お客様の気持ちを動かすことはできません。
お客様のセリフを聴き逃すな!
ドラマのセリフには3つの機能があります。一つは「事実を知らせる」。次に「人物の感情を表す」。そして「ストーリーを展開させる」。お客様のセリフにも、営業担当者のセリフもこの機能が当てはまります。
そこで大切になるのが「人物の感情を表す」お客様の感情セリフを、拾って広げることです。なぜなら「寒い」「広くてステキ~」「便利そう!」という感情セリフの裏には、お客様の背景・事情があるからです。
背景・事情を取ろうとするあまり陥りがちなのが英会話セリフです。英会話セリフとは、予め想定した答えを言わせるための問いかけのセリフです。営業担当者も折衝に必要な背景・事情を掴もうとして英会話セリフになってしまいます。お客様は、尋問を受けているような気持ちになります。
そこでお客様の感情セリフを拾い、広げるために必要なのがリトマスを掛けることです。その上で「ストーリーを展開させる」共感セリフと展開セリフを使うことです。これは「シナリオの基礎技術」にあるセリフの機能を基に作った営業研修ならではのセリフのカテゴリーです。
・受講生のことば『家の話に無理やり繋げていた。お客様の言葉にしっかりと共感し、背景・事情を掴んでいきたい』(中四国)
営業担当者は「伏線」を張れ!
自社の製品やサービスがどんなに素晴らしいかを説明したところでお客様には響きません。
なぜなら、お客様は「自分にとってどういいか」にしか、興味がないからです。
だからこそ、お客様の背景・事情を掴み、それを伏線として使うことで、「お客様にとってどういいか」をお客様に根拠をもって説明する必要があります。営業力があるかないか、の差は、この部分に表れるのです。
何を意識すればいいかがわかる
ビジネスの世界での「お客様の立場に立て!」も、教育の世界での「友達のことを考えてごらん」も、具体的にどこをどう考えるのかを示せずにいます。
シナリオを書く発想と伝える技術の中に、その答えがあります。『シナリオの基礎技術』を下敷きに、住宅メーカーや自動車メーカーの営業スキル養成に40年以上貢献してきた日本流通研究所の佐々木社長と一緒にカリキュラムを開発しました。営業とシナリオの両面から、誰にも真似のできない効果的な研修になりました。
『お客様の立場に立つという意味がわかった。お客様の背景・事情を汲みとって効果的な説明ができるようになりたい』(九州)