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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

創作の肝はキャラクター

「次回作にご期待ください」(角川文庫刊)

自覚

シナリオ・センター代表の小林です。またまた台風がやってきています。
どうか大きな災害になりませんように。今朝も北海道はまた震度5の揺れが・・・本当に気の抜けない日々が続きます。
韓国では、元大統領の収賄罪などの判決が下り、懲役15年、罰金13億円だそうです。
「お!韓国すごい!」と感嘆しつつ、国会で嘘ついて辞めさせられた元国税庁長官を有能だという大臣がいても「またか」くらいの反応で、怒りに結びつかなくなっている自分に気がついて、愕然とします。
このくらいのことはとよくあることだと思ったり、アホな忖度が当たり前と思うのではなく、少なくとも国民として、国を司る人間をしっかりと見極めて、見つめ続けていかなくてと反省しました。
「いいわ」「いいわ」ではなく、本当に「いいね」と言える世の中にするには、個々の自覚しかないのでないでしょうか。

驚異の新人登場

久々に、出身ライターの問乃みさきさんがいらっしゃいました。
なんと、「角川文庫キャラクター小説大賞」で大賞を受賞されて、文庫化されました。
驚異の新人登場!と言われました。おめでとうございます。
「完全に頭ひとつ抜き出ていいた。それは物語の完成度という点においてだ。完成度を強度と置き換えてもいい」小路幸也さん、「あらゆる創作物を支える根っこ部分を持った作品だと思いました」高里椎奈さんと選考委員激賞の小説です。
「次回作にご期待ください」(角川文庫刊)
漫画作りのお話しです。主人公は月刊漫画誌の若き編集長眞坂崇。
さすがにキャラクター小説大賞の大賞とあって、登場人物のキャラクター造詣が半端ないです。
主人公の眞坂は、漫画編集者として間違わないけれど、商売人としては失格な優しい男。眞坂と同期の天才的漫画編集者だけれど、やり方は破天荒でトラブルメーカーの蒔田。足音を立てない幽霊のような警備員夏目。正体は・・・教えないです(笑) ギャグ漫画家でおかしなツイッター連発する田嶋工務店先生。謎めいた高校生漫画家ヒビノナナ。盗作を疑うXなどなどすごーく濃いキャラクターたちが織りなすドラマに、一気に読み進んでしまいます。
まさに創作は、こうやって創るんだという見本になるメチャクチャよくできた本です。

漫画家のお話しというと、ついこの間まで朝ドラ、北川悦吏子さん脚本の「半分、青い」もそうでした。
漫画家ってとても大変で、連載ものは読者が面白くないとなったら打ち切られちゃう。朝ドラでも、主人公の鈴愛がそうでした。 打ち切るときは「次回作にご期待ください」って書くのだそうです。
そして、次回作を書ける漫画家はほとんどいない・・・過酷な世界です。
そんな次回作を書けなくなりつつある漫画家、なっちゃた漫画家たちの間を、月刊漫画誌の若き編集長眞坂と天才で変人な編集者蒔田のコンビが漫画愛に満ち満ちて動き回ります。そこから起きるミステリーサスペンス・・・あらすじなどはもったいなくて言いたくないほど面白い小説です。

小説でもシナリオでも漫画でもアニメでも、なんといってもキャラクターなのです。
一番大事な創作の肝です。
そのことを知る尽くした感の問乃みさきさん、さすがです!!「次回作にご期待ください」
あ、問乃みさきさんは、打ち切りではありません。これはタイトルですよ。お間違えなく。
問乃さん、秋には次回作がでますので、本当にご期待ください。(笑)
まずは、この第一弾、たっぷりと味わっていただければと思います。

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