魂
シナリオ・センター代表の小林です。134期シナリオ作家養成講座の開講が終わりホッとしていたら、あっという間にシナリオ8週間講座の開講が今週と迫り、またまたバタバタしています。
公私ともにばたついていて、お恥ずかしいのですが、我が家をリフォームするので、断捨離の真っ最中です。
ようやくめどがついて、父が手塩にかけて集めてきた思い入れのある本の処分もほぼ終わりました。
結構な資料になる本もたくさんあったので、図書館などに寄付をしたかったのですが、昨今古本は寄付されても困るようで・・・残念ながら受け取っていただけませんでした。
引き取っていただくだけでありがたいので、売れることを前提とはしていなかったのですが、全集などは本としては売られずに古紙として紙屋さんに持っていくのだとか。
紙にされるというのは、なんだか本の魂が抜かれるみたいでとってもつらい気持ちになりました。
捨てるということが案外と心に大きく影響するものなのだと、この1ヶ月くらいで思い知りました。
仏も人も
「仏像という姿(かたち)~微笑む・飾る・踊る~」という三井記念美術館で行われている特別展を見てきました。
最近、仏様はお寺にお伺いしなくても、東京のあちこちにおでましくださるので(笑)ちょっと嬉しいです。 如来様を筆頭に仏様も階級があり、お顔も雰囲気もみんな違いますが、この特別展はタイトル通り、仏像のアートな部分に光を当てています。
四天王眷属立像などは、黒人のようなお顔をしていらしたり、本来怒りのお顔をされていらっしゃる不動明王が案外と可愛いお顔でいらしたりとか、平安時代よりも鎌倉時代の仏様の方が強いお顔をされていらっしゃるとか、時代によっても違いますし、仏師によっても全く違います。
スタイルも、足をあげて踊っていらっしゃる姿や楽器を弾かれている姿がとても今風だったり、指の細さ、襞の美しさ、金箔の見事さとかそれぞれみんな違い、素晴らしいのです。
仏様も人間と同じでみんな違ってみんないいです。(笑)
この特別展を拝見して、なるほどと思ったことがあります。
仏像のここを見てくださいとみるポイントを教えていただくと、そこを深く見ることができ、今までにない視点で見ていることに気がついたのです。
シナリオ・センターの講座で課題を出して書いていただくのと一緒だなあと思いました。
課題があると、その課題について考え、想い、アンテナを張り巡らします。
漠然と何かを書こうと思うだけではアンテナを張り巡らす場所も広くなり、何をつかまえればいいのかもわかりにくいものです。
ところが「仏様の指の形を見てください。こういうことなんです」といわれると、そこの部分にスポットが当たり、深く見ることができました。
いつもなら、いいお姿だなあ、この仏様が好きだなと楽しんでいただけだったのに、面白く拝見することができました。
課題は、発想へ持っていくためのスポットライトです。ひとつずつ課題をこなしていくことで、様々なものの細部をみつめることができます。
細部を見つめることから、それが増えるにつれ大きなものへと視点を広げていけるのだと思います。