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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

どう生きるべきか

アニメーションリアリズム講座

人生先送り論

シナリオ・センター代表の小林です。秋の連休はいかがお過ごしでしたか。今年の文化勲章に、劇作家で、評論家の山崎正和さんが受勲されました。
山崎さんは「世阿弥」で岸田国士戯曲賞を受賞され、劇作家、評論家、演劇研究家として幅広く活躍されていらっしゃいますが、独特の自論はとても興味深くさすがです。
ジェームス三木さんもよくおっしゃるのですが、禁煙ファシズムを唱えられ、禁煙は上から制約されるものではなく自由なものであるべきとおっしゃって、禁煙を提唱される方と討論になったというお話もあります。
私がすごいなあと思ったのが「人生先送り論」。
現政府が、定年を70歳に引き上げようとしているのは年金減らしに他なりませんが、山崎さんの「人生先送り論」は、定年を70歳にするというところまでは同じなのですが、発想が全く違います。
大学卒業者の就職年齢を30歳前後まで遅らせ、青春期に10年の空白を設けることで、若者は経験を積みながら広い教養と趣味を身につける、それからお仕事をして70歳まで働くと。
特に高齢化が進んで人生100歳となる時代には、この人生先送り論はとても素晴らしい提言だと思います。
実際には、大学をまるで就職のために学ばせる機関にしようとする企業と政府ですが、そうではなく、若いうちこそ色々なものを見聞きし、広い教養、知識、経験をつける時間を取ることによって、人間としてより大きく成れると思うのです。
山崎さんの「人生先送り論」はそこを大事にしようとするものです。

大学受験の折「大学に行く意味はあるのか」と父に問いただしたことがあります。
父は「大人でもない子どもでもない年代だからこそできることがたくさんある。時間の許す限り見聞きし、学んだり遊んだり、友人を作ったりすることで、自分の人生を深くするんだ。専門技術はいつからでも学べるが、思考思索するには一番吸収しやすい年頃だ。だから自分を創ることを考えろ」と言われました。
父の言葉通り大学では遊びまくったお蔭で(笑)、友人に恵まれ、50年近く経った今でも仕事をフォローしてくれたり、私の知らないことを教えてくれ経験のない場所へ連れて行ってくれる友人が何人もいます。
この山崎さんの「人生先送り論」を若い人たちにやってもらいたいなと思います。
若い時だからこそ吸収できることがいっぱいあり、若い時だからこそ感じられることがいっぱいあります。
兵隊として若者を企業に取り込むのではなく、自分の人生をどう生きるか、人としてどうあるべきか、若い時にこそ悩み迷い考える時間をもてるようにしてあげることが、私たち大人の責任だと思います。

文化功労者には、私の大好きな片岡仁左衛門丈が受勲されました。おめでとうございます。

アニメーション・リアリズム

出身アニメーション作家の黒坂圭太さんの新作DVD「マチェーリカ」と「海の唄」の発売を記念して「アニメ―ションリアリズム」映像講座が2回にわたって行われます。
3部構成で行われ独特の作風で世界的に注目されている黒坂圭太さんの世界を味わっていただく代表作品上映、黒坂さんの講演、ゲストとの対談となります。
黒坂さんは「単なるメーキングや制作裏話にとどまることなく、『今なぜ創るのか?』を来場者の皆様と一緒に問い直せればという思いを込めて、『アニメーションリアリズム』とタイトルにしました。
私自身の創作体験を拠点にしながら、狭い意味でのアニメ愛好者ばかりではなく、様々なスタンスで創作されている多くの方々に響く話ができたらと願っています」とメッセージを送ってくださいました。

第1回は、11月19日 19:00から 「美少女とグロテスク」
上映作品「個人都市」(23分)「Agitafed Screams  of Maggots」(3分)「輪郭」(6分)
ゲストに、「帝一の國」「ライチ☆光クラブ」などを他の追随を許さない圧倒的画力と得意な世界観で数多くの読者を魅了してやまない漫画家古屋兎丸さん。

第2回は、12月2日 19:00から「解体と再生」
上映作品「緑子MIDORI-KO」(55分)
ゲストは、「部屋/形態」や「渦巻く光」など描くという行為から派生する超絶的視覚表現で国際的に活躍される画家&映像作家の石田尚志さん(現在、六本木「タカ・イシイギャラリー」で最新作発表されています)
ともに、小金井市宮地楽器ホール小ホール(JR武蔵小金井駅前)で。
お問い合わせ ミストラスジャパン 042-380-8270  info:mistral-japan.co.jp
料金 一般1700円・予約1000円・学生1000円・高校生以下500円
黒坂圭太さんの独特な世界をお楽しみください。

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