想像力
シナリオ・センター代表の小林です。天皇陛下即位30周年のお祝いがいろいろと行われているようです。平成もあとわずかで終りです。
最近の陛下のお言葉を拝読するごとに、国民への接するお姿を拝見するたびに、失礼ですが、日本人で一番想像力をお持ちの方なのではないかと思ってしまいます。
被災された方々に、戦争で亡くなられた方々に、遺された方々に、沖縄の苦労されている方々に、いわれない差別や迫害を受けた方々に寄り添われる。
他人を思いやるお気持ちの強いお姿は、その人がどんなに困っているだろう、どんなにつらいだろうということを想像してこそできることです。
上に立つものが、他人を思いやる気持ちを持って接すれば、世の中は自然と優しくなれると思うのです。
小説家の高橋源一郎さんが「多様な見方ができない。想像力を遠くに飛ばそうとしない。この社会が今に至った大きな理由の一つだと思います。」とおっしゃっています。
本当にいつの間にかなぜこうも人間性は劣化してしまったのでしょうか。
自分のことしか考えないトップの多いこと。嘘をつき、誤魔化し、脅し、聞く耳を持たない・・・なぜなのでしょう。
それぞれの考えや意見が違うのは当たり前です。
自分と違うからと言って、排除したり批判したり、どんな基準でそんなことができるのでしょう。
反対の考えや意見をちゃんと聞ける、そして、相手を想いながら自分の考えをきちんと伝えられるそんな大人でありたいです。
今日、帰ります
幸せな人生ってなんだろう?人としての在り方を問い続けます。
第1回WOWOW新人シナリオ大賞受賞作「今日、帰ります」
圓岡由紀恵さんの受賞作が3月10日、22:00からWOWOWOでいよいよ放映となります。
主演は伊藤淳史さんと、木南晴夏さん。
このお話は、言い訳ばかりの主人公が、再び家族と暮らすために奮闘する物語です。
安定した収入、安定した生活…東京の銀行で働く森田は、家族のために毎日黙々と仕事に励んでいました。
ある日突然、妻の千佳が息子を連れて山梨にある実家へと帰ってしまいます。
それから別居生活1年。 森田は、山梨の家に月に1回通っていたが、千佳からは「山梨で一緒に暮らしてほしい」と言われ困惑してしまいます。
一体千佳は何を望んでいるのだろうか、まったく見当がつかない森田は、クレームをつけまくる厄介なおばあさん波子の担当になります。
森田の身の上を知った波子は「離婚一歩手前だ」ときつい言葉を浴びせ、週末だけでも義父が営む農業を手伝うように提案。さらに、エンディングノートならぬビギニングノートを森田にくれます。
そこには、家族と一緒に暮らすためにやるべきことが書かれており、森田は…。
言い訳ばかりの人生とは言わないまでも、何か言われたらついつい言い訳をしてしまう。案外多くの方がやっていられることだと思います。
人って、言い訳はとってもうまいんです。(笑)
書こうと思っていたんだけれど、コンクールに出そうと思っていたんだけれど、やろうと思っているのだけれど、始めたいけれど、仕事が忙しい、時間がない、お金がない・・・これは常套句です。
きっとほとんどの方が、主人公森田の気持ちがおわかりになることでしょう。
圓岡さんの「幸せって何だろう」という問いかけに答えてください。
きっと一歩踏み出す勇気をもらえることと思います。