想像力
シナリオ・センター代表の小林です。今日の東京は雨。
雨というと何となく気分がふさぎがちですが、雨は大事。晴ればかりでは、植物のみならず人間だってカサカサになってしまいます。花粉も少しは違いますし。
シナリオも雨を降らすとそのシーンの臨場感だけでなく登場人物の気持ち押しができたりします。
新井一が結構言っているのですが、コンクールの応募作などを見ると案外雨が降っていません。(笑)
雨を降らせればいいというものではありませんが、天候というのはドラマを盛り上げる、感情を知らしめるよい手段ですので、うまくお使いになってみてください。
2月も本日で終わり。1・2・3月は1年の中で一番早く過ぎる月だとどなたかがなにかに書いていらっしゃいましたが、実感しています。
明日から弥生3月。3月3日お雛祭。
前に京都老舗料亭のお雛祭の席に伺ったことがあります。すごい昔の素晴らしい雛飾りを前に、「千と千尋」の湯ばあばみたいな大女将が、雛祭の由来などを話してくれました。
雛祭はその昔嫁ぐ女性への性教育の意味があったという話になるほどとうなづきながら、貝合わせも、相性のいい男と女の巡り合わせを遊びの中で教えたと聞いて、優雅な感じがしました。
現代は、男女平等であり、性別の垣根も超えることが当然のことと思うと、雛祭が女の子のお祭りというのは違和感がありますが、昔からの風習や言い伝えは重要なことでもあるのです。そこは分けて考えないといけないですね。
夫婦別姓だと家族が崩壊するとか、トランスジェンダー、LGBTは認めないとかいまだにおっしゃる方がいらっしゃいますが、精神と形は別物だということがわからないといつまでも本質をみつめることができないと思います。
議員の女性暴行問題で、先輩議員が「問題にならないようにやらないとだめだ」とのたまうのも、トップからして本人の問題とうやむやにしてしまおうとするのも、本質がわからない上、人に対する想像力をお持ちではないからでしょう。
お雛祭りに改めて男と女の問題を考えてみてはいかがでしょう。
創造力
色々な考え方を知ると、創造力が広がります。
日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム主催で『脚本で振り返る「平成という時代」』というシンポジウムを行います。
平成最後のシンポジウムとして、俳優・中村雅俊氏と「金曜日の妻たち」「男女7人夏物語」などの脚本家・鎌田敏夫氏をゲストに脚本を通してドラマや番組を振り返りながら「平成」という時代をたどります。
鎌田敏夫さんの「金曜日の妻たち」も「男女7人夏物語」も群像劇。
それぞれの登場人物の感情、想い、相手に対する気持ち、動き、キャラクターのうまさに舌を巻きます。
今これほどの群像劇をお書きになれる人はほとんどいないように思います。鎌田さんがどんなお話をされるか、また平成のテレビドラマをパネルディスカッションの登壇者の皆さんがどのようにとらえているのかをお聞きすることは、今後のシナリオ創作の上でプラスになるでしょう。しかも無料です。(笑)
日時 2019年3月23日(土) 13時半~17時(13時開場)
■場所 法政大学市ヶ谷ボワソナードタワー26階・スカイホール
http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/shisetsu/ichigaya/boissonade.html
■入場無料(定員150名・事前予約制)https://www.nkac.jp/シンポジウムのお申込み/
■内容
〇ご挨拶 13:30~14:00
池端俊策氏(日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム代表理事)ほか
〇基調講演14:30~15;00「平成をアーカイブする」吉見俊哉氏(東京大学大学院情報学環教授) 〇パネルディスカッション15:30~17:00
ドラマ「バブル」「29歳のクリスマス」から「逃げる女」「半分、青い。」まで
登壇者:鎌田敏夫(脚本家、日本脚本家連盟理事長)中村雅俊(俳優)藤田真文氏 (法政大学社会学部長、NPO放送批評懇談会 専務理事)
岡室美奈子氏(早稲田大学演劇博物館館長)吉見俊哉氏(東京大学大学院情報学環教授)
問い合わせ先 日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム
担当:石橋、入山 tel:03(5210)7029 Fax:03(5210)7021 HP http://www.nkac.jp/