WOWOW新人シナリオ大賞発表!
シナリオ・センター代表の小林です。またまた嬉しいニュースです。
5日に「第2回WOWOW新人シナリオ大賞」授賞式が行われました。
やったぁ!!!
シナリオ大賞に「父と息子の地下アイドル」研修科の光益義幸さんが、優秀賞を「息を籠める」元本科の弓削勇さんが受賞されました。おめでとうございます。
3月10日日曜日には、「第1回WOWOW新人シナリオ大賞」受賞作、作家集団の圓岡由紀恵さんの「今日、帰ります」が22:00より放映されます。
ワクワクしますね。
もちろん、今回の「父と息子の地下アイドル」も放映が決まっており、どのような作品かとても楽しみです。
今年もまた次々とシナリオコンクールの募集が出てきます。大いにチャレンジして、また朗報をもたらしてくださいね。
うちの人、知らない?
昨日、セリフのお話をちょっとさせていただきましたが、新井がシナリオ教室に書いたものを見返していましたら、とてもわかりやすくセリフについて語っていましたので、ちょっと抜粋します。
常に頭の片隅に残して、シナリオを書くときに思い出してください。(笑)
「描写は人の心を打ちますが、説明はわからせることが目的なので、人の気持ちは動きません。
セリフは人間が発しているので、いかにも描写のように思えますが、実際は、声でもって説明をしているにすぎません。
セリフは要件を話すセリフと、感情を表すセリフとがあります。
しかし、セリフは感情をもった生身の人間が発するのですから、感情の乗らないセリフはないわけです。
故長瀬喜伴さんの作品で、こんなシーンがあります。
デパートに買い物に行った奥さんが、昇りエスカレーターに乗って何気なく下のフロアの貴金属売り場に目をやると、自分の亭主が若い女性にネックレスを買って、悦に入っています。
奥さんはカーッとしますが、エスカレーターなので身動きがとれません。ともかく階上に上がって、慌てて階段を駆け下りて貴金属売り場に行くのですが、もう亭主と若い女性は影も形もありません。
そこで奥さんは店員をつかまえて
奥さん「ちょっと、うちの人知らない?」
店員「はぁ?」
普通我々が書くと、
奥さん「ちょっと、ここに中年オヤジと女の人がネックレスをみていたけど、どこに行ったか知らない?」と 、すでに観客が知っている説明を重ねることになります。
理屈や脈絡はありませんが、知らない店員に「うちの人」と訊くことで、いかに奥さんが周章狼狽して、カーッとなっているかがわかります。
セリフでも感情に乗せなければつまらないのです」
これが喜劇を書かせたら天下一品と言われた長瀬喜伴さんのセリフです。
「なるほど!」と思われたかと思います。