新しい出発ゼミナール
シナリオ・センター代表の小林です。3月末から4月の初旬でシナリオ8週間講座、134期シナリオ作家養成講座が修了して、4月から本科・研修科へ進級される方々が200名ほどいらっしゃいます。
ゼミナールは、講座と違って、ご自分の習作20枚シナリオを読まれて、ゼミナール仲間に感想をいただき、講師が技術的な部分で講評を行うというものです。
初めての方は、ご自分の20枚シナリオをお仲間の前で発表するのはドキドキもしますし、大きな声ではっきり読むということは案外できにくいものです。
読むのも大変ですが、他の方のシナリオを聞くというのも難しく、うまく聞きとれず、感想を言ってくださいといわれても、なにが書かれていたのか、どう感想を言えばいいのかオロオロしてしまいます。
でも、ご自分だけではなくみんなも同じですから、ご心配することはありません。 慣れてくると自然に大きな声で読めますし、他人の作品も聞こえてきます。
進級された方々には、本科ノート、研修科ノートをお渡ししています。
カリキュラムだけでなく、ゼミナールの進め方が書いてありますのでご参考にしていただければと思います。
最初は感想を言うのもためらいがちですが、感想は視聴者・観客のつもりでいっていただければいいので、そんなに固くならなくても大丈夫です。想像力は創作に使うだけではありません。
想像力を駆使して、自分が感想をもらうとしたら、どんな風に言われたら嬉しいか、納得できるかということを考えて感想を言っていただくとよいと思います。
「面白かった」とかだけでなく、どこが面白かったのかとかこのセリフが良かったとか具体的に言っていただけると喜ばれます。
反対に感想を言われたときに、思いもよらないことだったり、納得できないことだったりするかもしれませんが、「人はみな違う」ことを常に頭の片隅に置いて、色々な人にどう伝えることができるかということを考えて、次の課題に臨んでください。
ゼミナールは、沢山の人々に伝える力をつけるためのものでもあります。
「人はみな違う」のですから、すべての人が同じ気持ちにはなりませんが、できる限り多くの人へあなたの想いを伝えられるようにしたいものです。
小説とシナリオ
シナリオ・センターの講座は、映像表現の技術をお教えする内容ですが、小説家志望の方が3割近く受講されています。
5/24上映の映画「貞子」の原作者鈴木光司さんや赤川次郎さん、乃南アサさん、原田ひ香さん、柚木麻子さん、柏田道夫さん、土橋章宏さん、大山淳子さん等々小説家の方もたくさん輩出しているからでしょうか。
それでも、普通に考えると、アニメ、ゲームシナリオ、戯曲、漫画原作、ラジオドラマは、基本がシナリオ形式ですから、同じような気がしますが、小説は文章表現ですからちょっと違うような気がします。
たしかに文体はこれこそが作家性ですからお教えすることはできませんが、映像表現の技術は、伝える技術なので、実は小説にもこの技術が当たり前のように使えるのです。
もちろんエンタメが主体ですが。
エンタメ小説を読んで面白いのは、文章を追うのではなく、その文章から映像をイメージして読まれているかと思います。
シーンシーンを描くディテールは面白く見せる=読ませるところですし、ドキドキハラハラさせたりする構成も大事です。
映像の見せ方は文章から想像させる方法でもあるのです。
シナリオも文字で描かれていますが、本当は画面に描いているのですから、そこから映像が浮かぶ、映像になるものを描くということですから、本質は一緒ではないでしょうか。
出版社も脚本家に小説を書かせると面白いものを書いてくれると思ってくださっているようで、ライターズバンクへのオファーも結構いただいています。
とはいえ、シナリオでも小説でも共通することは、プロを目指すのであれば、書き続けることしか王道はないということです。
夢を叶えるということは、夢を追い続けるこそ叶うものだということですね。
一歩踏み出したい春、書き続けていきましょう。
私事で恐縮ですが、17日まで引っ越しのため「表参道シナリオ日記」をお休みさせていただきます。よろしくご了承ください。