小説コンクールで賞をとる!~平沼正樹さん(元本科・小説講座受講)~
「小説家になりたいのですが、シナリオの技術は小説にも使えますか?」
――というご質問をよく受けます。
はい、使えます!
例えば「構成(起承転結)」。構成をきちんと考えると、視聴者・読者が「この後、主人公はどうなっちゃうの?!」と夢中になるような展開を作ることができます。シナリオと小説、書式は違いますが、この技術は小説を書くときにも使えます。
シナリオ・センターでは、基礎講座やゼミのほか、年に1度「シナリオの技術で書く小説講座」も実施しています。その小説講座を2013年に受講された、元本科ゼミの平沼正樹さんがこのほど、第6回暮らしの小説大賞で大賞を受賞されました!
受賞作は『しねるくすり』。
同賞の公式サイトでは【薬科大学を舞台にしたミステリー風青春小説です。物語は、主人公の親友が服毒自殺するというショッキングな出来事が鍵となり、展開されていきます。「毒」の周囲に何重にも張り巡らされた仕掛けと、設定の緻密さが、読み手を翻弄し、時に唸らせます。そして状況が二転三転していく中、主人公がこだわり続ける「親友の死を理解したい」という強い想いに胸を打たれます。エンターテインメント性とヒューマニティを備えた本作には、書き手が持つ可能性の大きさを感じられます】といった総評が公開されています。
現在、株式会社ウェルツアニメーションスタジオ代表取締役を務め、番組プロデュース等を手掛けながら、小説執筆に専念されている平沼さんに、コメントをいただきました。
「小説家になりたいけど無理かな…」とお悩みのかたは、平沼さんのコメントを是非ご覧ください。シナリオの技術を学んで、それを小説に活かしている “先輩”の言葉が背中を押してくれますよ。
第6回暮らしの小説大賞 大賞受賞
受賞作『しねるくすり』平沼正樹さん
「小説講座で“君、賞獲れるよ”と言われ真に受けてしまいました」
〇平沼さん:私がまだ大学生の時に本科ゼミで岩村先生にシナリオの書き方を教わり、6年前に柏田先生の小説講座を受講させて頂きました、平沼正樹と申します。
この度、私が書いた小説が文学賞『暮らしの小説大賞』にて大賞を受賞いたしました。受賞した作品は10月に単行本として発売される予定となっております。
また、出版社様より2作目のお話もいただいており、いよいよ作家としての道を歩むこととなりました。
気づけば、私が大学生の時に映像および脚本の勉強を始めてから20年という月日が流れていました。小説に挑戦しようと思ったのは30代後半になってからですが、このタイミングでこのような賞をいただけたことは本当に奇跡のようで今でも信じられません。
45歳でのデビューとなりますので若い作家さんたちのことを考えると少々気後れしてしまいますが、コンテンツ業界の中で会社を経営して来たという経験を生かし、今後もオリジナリティのある作品作りに尽力する所存です。
・岩村先生(本科) :先生に出会っていなければ今の私はありません。本当にありがとうございました。
・柏田先生(小説講座): 小説講座で「君、賞獲れるよ」と言われ真に受けてしまいました。誠にありがとうございました。
※「そもそも小説ってどう書けばいいの?」とお悩みのかたにオススメ!小説を書くヒントが詰まった「小説家・脚本家 柏田道夫の『シナリオ技法で小説を書こう』」ブログ記事一覧はこちらからご覧ください。
※平沼さんに続け!脚本コンクールいろいろあります。
こちらのブログ「主なシナリオ公募コンクール・脚本賞一覧」で、どんなコンクールがあるのかチェックしてみてください!