楽しめない
シナリオ・センター代表の小林です。驚くような九州での大雨、大丈夫ですかとお尋ねもできないような状態です。どうかご無事でと祈るばかりです。
東京って、他のところから比べたら大きな災害を受けていないせいでしょうか、なんとなく災害に対して他人事で冷たい感じがします。
もちろん、すべての人が冷たいわけではないのでしょうけれど、特に中央のトップの人々、木で鼻をくくったような答弁や記者会見と同じように、まったく温かみを感じられません。
日本の全体を仕切っているのですから、自分の周りだけでなく、日本の隅から隅まで心配りしていただきたいものです。忖度というのはこういう風に使うんです。
災害が今起こっている、最大限の援助をしてほしいです。
東日本大震災もすっかり復興したかのように政府もマスコミも見せていますが、ほとんど復興していない、解決していない。
なのに福島の原発被災者の方々を追い出したり、家賃をとったりの仕打ちとかをみていると、人の心を持っていないのではないかと思ってしまいます。
やさしい気持ち、忖度が欲しいです。
楽しんでほしい
昨日は、絶賛上映中の「ダンスウィズミー」の監督、矢口史靖監督をお迎えしてのミソ帳倶楽部でした。満員御礼の会場に、矢口監督もびっくりされていましたが、「ダンスウィズミー」を見たら踊りながら矢口監督に会いたくなっちゃいますよね。(笑)
柏田講師の進行で、矢口流映画作りの極意をお話していただきました。
最近は、シナリオライターだけでなく監督志望の方も多く、映像を作るお話を楽しんで聴いてくださいました。
お聴きできなかった方は、是非とも矢口監督がお出しになった「映画監督はサービス業です。~矢口史靖のヘンテコ映画術~」をお読みになってください。
矢口監督は、脚本もご自分でお書きになりますが、必ず絵コンテを描かれます。絵コンテで頭の中の映像をきちんと落とし込むのでしょう。
この絵コンテが、さすが東京造形大学出身でいらっしゃるせいか、絵コンテだけで商品になるほど素晴らしいです。
この本でも、たっぷりと絵コンテが入っています。あのシーンはなるほどこう描いていたからできたのかと納得。
監督は、タイトルのように「サービス業」を徹底されて、作品を作られています。
「僕が映画を作る理由は、映画そのものへの愛情や探求心というよりは…観客を楽しませたい、ただそれだけ。
つまり目的はエンタテイメントの提供であり、映画作りは手段なのだ。
映画館に来た観客をどうやったら驚かせることができるか、笑わせられるか。この表現で伝わるだろうか、退屈させてないか、長すぎやしないか、観終わったときどんな顔をしているか…。
これまでの映画10本、どの作品おいてもそれだけを考えて作ってきたと思う。そう、僕にとってこの仕事は、最高のサービス業なのである。」(まえがきより)
ミソ帳でもおしゃっていましたが、他人を楽しませることができるのは、「自分が楽しいかどうかで選んでいる」からかもしれません。
自分が楽しめないことで人に楽しませることはできませんものね。
矢口流の監督業はいかなるものか、エンタテイメントを志す方は、監督志望の方はもちろん、創作に携わる方必読です。