脚本を書きたい!でも、そもそも脚本家とは……?
脚本家になりたい!と思ったものの、そもそも脚本家ってどんな職業なのか、実はあまりイメージできない方も多いのではないかと思います。そこで、脚本家になりたい!と思う方に向けて、脚本家とは……?という素朴な疑問に、以下の項目でお応えしたいと思います。
・脚本家の仕事の種類
・脚本家の給料って?
・代表的な脚本家とは……
・原作者と脚本家の違い
・小説も書いている脚本家
・脚本家って、どんな人がなるの
・最後に。脚本家とは……豪華なごっこ遊びをする仕事
脚本家とは……まず、広辞苑を見てみましょう。広辞苑には、『脚本』という項目がありました。
『脚本』:演劇・映画・テレビの仕組み・舞台装置および、俳優の動作・せりふなどを記載した上演のもととなる本。台本。シナリオ。
と、広辞苑に記してあります。
『脚本家』とは、上記の脚本を書く作家ということになります。
もう少し整理して言うと、脚本家とは、演劇・映画・テレビドラマなど作品の『設計図』を作る役割を担う作家、とお考えいただければいいのではないでしょうか。
脚本家の仕事の種類
メディアの多様化によって、脚本家の活躍の場は広がっています。
演劇・映画・テレビドラマだけではなく、アニメシナリオ、マンガ原作、ラジオドラマ、ゲームシナリオ、ネット配信ドラマ、PR動画などさまざまなジャンルで、活躍しています。
メディアの多様化、チャンネルの増加によって、脚本家が求められているとも言えます。
脚本家の給料って?
脚本家になると、どれくらいの収入が見込めるのでしょうか。
日本シナリオ作家協会という、シナリオライターの協会が発表している脚本家の原稿料の目安があります。それによると、
映像の場合は、1分1万円というのが、最低限度のギャランティの目安になります。
※2017年版の報告書では、少し下がっていたように記憶しています。
1分1万円というのは、あくまで最低限度です。売れっ子の方やベテランになると上がっていきます。
ゲームシナリオの場合は、一文字いくらという計算が主流のようです。大体一文字2.5円~ 経験によって変わるようです。
経験や実力によって単価は変わりますが、ゲームシナリオを本業にして、生計を立てることは十分できると言えます。ゲームシナリオ業界は、常に新しい才能あるシナリオライターを求めています。やりたいというかは、チャンスの時期ではないでしょうか。
ゲーム制作会社には、シナリオを外注している会社と社員として雇用している会社があります。安定した収入を得たいという方は、シナリオの技術を磨いた上で、社員として就職するという手もあると思います。
外注でお仕事をもらう場合は、ライターという職業上、自宅でもできるため、いわゆるノマドワーカー的な働き方も可能です。
代表的な脚本家とは……
脚本家は、映画監督などと比べると、黒子的な存在です。あまり、一般的な存在とは言えません。例えば、映画の舞台挨拶などで俳優とともに、監督が呼ばれることはありますが、脚本家が呼ばれることは多いとは言えません。
そのため、名前と顔が一般の方でも一致するという脚本家は、以下のように限られているのではないでしょうか。
山田太一さん、倉本聰さん、向田邦子さん、市川森一さん、橋田壽賀子さん、ジェームス三木さん、内館牧子さん、三谷幸喜さん、宮藤官九郎さんなどでしょうか。
ドラマが好きという方だと、以下のような脚本家の方の名前が浮かぶかもしれません。
野島伸司さん、尾崎将也さん、北川悦吏子さん、大石静さん、中園ミホさん、遊川和彦さん、坂元裕二さん、岡田惠和さん、井上 由美子さん、森下佳子さん、古沢良太さん、野木亜紀子さんなどなど……
何気なくドラマを観ていて「いいなぁ」と思った作品は、脚本家をチェックしてみるという楽しみ方もあります。意外と、同じ脚本家の方の作品だということもありますよ。
原作者と脚本家の違い
最近では、『原作もの』といって、小説やマンガなどが原作となっている映像作品がたくさんあります。そのため、原作者と脚本家を混同してしまうことが多いようです。
原作者というのは、映像作品のもとになる小説やマンガなどを書いた作家の方を指します。
例えば、池井戸潤さん原作『ノーサイド・ゲーム』をもとに、日曜劇場のテレビドラマ『ノーサイド・ゲーム』が作られます。この場合は、原作者は池井戸潤さんになります。
脚本家は、なにをするかというと、原作である小説をテレビドラマ用に『脚色』します。小説はそのまま、映像にはなりません。そのため、映像脚本のプロである脚本家が、原作を脚色します。
原作ものが多くなる背景には、視聴率などが比較的取りやすいという点があります。ですが、最近では原作ものに対して、視聴者も食傷気味という傾向にあります。
そのため、脚本家のオリジナル作品が求められています。実際に、オリジナル作品の方が、視聴率も取れているという分析もあります。
▼NHK夜ドラ『だから私は推しました』は、出身ライター森下佳子さんのオリジナル作品。
そんな森下さんが考える脚本家とは……
小説も書いている脚本家
原作者と脚本家は違う、というお話をしました。ですが、脚本家として活躍しながら、小説家としても活躍しているという方もいます。
向田邦子さんが、最も有名な方でしょうか。
内館牧子さん、木皿泉さん、最近では、土橋章宏さん(小説『引っ越し大名三千里』を執筆し、自ら『映画『引っ越し大名!』の脚本を執筆』)、柏田道夫さん、向井康介さん、宇山佳佑さんなどでしょうか。
脚本家って、どんな人がなるの
一般的に作家というと、『変り者』のようなイメージがあるかと思います。では、脚本家は、どうでしょうか?
人による。
と言ってしまえばそれまでですが、脚本家の場合は、小説家とは異なり、プロデューサーやディレクター(監督)などとチームを組んで仕事をします。そのため、自分の脚本についてなぜそう書いたのかを、的確に伝えるコミュニケーション力と人と接することが苦ではないという社交性が求められるのではないでしょうか。
脚本家という職業に興味を持ってきた方は、こちら(給料についても書いてあります)
>>シナリオライター(脚本家)になるには?
また、脚本家は昔から書くことが得意な人がなるもの、というイメージがあるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。なぜなら、脚本を書く上では、小説のような文章表現力は不要だからです。
最後に。脚本家とは……豪華なごっこ遊びをする仕事
映画やテレビドラマなど多くのメディアで作品を発表する機会を持つのが、脚本家です。ある意味、活躍のフィールドはどの創作活動よりも多いかもしれません。
そして、脚本家とは、多くの予算を使い、素敵な俳優さんや、作画担当さん、イラストレーターさんなどと力を合わせて、架空の世界を作る『設計図』を描く人と考えると、子どものごっこ遊びを大人になって贅沢にやっている人と言えるかもしれません。
脚本家、ちょっとかっこいいですね。
脚本家・シナリオライターになりたい方のためのシナリオ講座
脚本家という職業に、興味がわいてきた……という方は、シナリオ・センターのシナリオ基礎講座へどうぞ。通学の講座と通信講座があります。じつは、業界で最も多くの脚本家を輩出しています。案内請求も気軽にしてくださいね。
■シナリオ作家養成講座(6ヶ月) >>詳細はこちら
■シナリオ8週間講座(2ヶ月) >>詳細はこちら
■シナリオ通信講座 基礎科(6ヶ月) >>詳細はこちら