アナログとデジタル
シナリオ・センター代表の小林です。年賀状を作っていました。
保存しようとしたところ、私が余計なことをしたばっかりに、霧散!!消えちゃいました。探しまくったけれど跡形もなく。(涙)
もう一度作るには、気力が萎えてしまって、また明日気分を変えて作ることにしました。
なにせ、来年は創立50周年。
世の中のオリンピックイヤー騒ぎを横目に、シナリオ・センターは、創立50周年の大騒ぎを企んでいるので、ちょっと力を入れて考えていたのです。今更思い出して作りなおすのでは、なんだか勢いをなくすようだし、きっぱり、さっぱり、出直そうと思います。ああ、がっくり・・・。
ペンで書いていればこんなこと起こらないのになぁと便利さゆえの不便をしみじみ感じた本日でした。(笑)
50年前は手書きだけでした。センターでは原稿用紙の紙にこだわり、描きやすい紙を探しまくって作りました。
当時出身ライターの方々が、シナリオ・センター製原稿用紙が書きやすいと買いに来てくださったものでした。
新しもの好きの新井一がポチポチ打ち始めたのがワープロ。ワープロの時代がきました。
新井は、頭の回転がワープロ打ち時間とあわなくて、結局手書きに戻りました。
おかげで、最後の「公募ガイド」への原稿は手書きで、新井の気持ちも一緒に遺りました。
ジェームス三木さんが使われた時に「すごく便利でいいんだけれど、推敲の跡が見えないので、プロデューサーに苦労したことがわからないのが困る」と笑っていらしたことを覚えています。
原稿用紙だと、線を引っ張ったり、消したり、直したり、吹き出しを入れたりとぐちゃぐちゃ汚いけれど、さもさも推敲したような跡がよく見えましたからね。(笑)
そして、今はPC一辺倒。私もワードを使います。
今日みたいに消えちゃうんですが(笑)、便利は便利です。
だけど、私の頭の中からも消えるものがたくさんあります。名前を忘れちゃったり、漢字が書けなくなったり、文章表現が決まりきったり・・・と。
「日本は、古から縦書き文化なので、脳は縦書きにできている。横書きのPCはデータにはいいけれど、創作には向かない。創作はアナログなので、特に向かない」とおっしゃる脳学者もいらっしゃいます。
「自分の腕を通して創作が生まれる」という文学者もいらっしゃいます。私も創作はアナログなので、考える時はノートとペンになります。
文明は常に何かを興してくれるけれど、滅亡させるものもたくさんあります。
便利が必ずしもいいわけではなく、不便だからこそ頭を使う、なんでもしてもらったら、何もできなくなります。
と、色々と自分自身を納得させて、消えた年賀状原稿を惜しむことなく、また頭を使うことにします。(笑)
劇作家協会新人戯曲賞
12月15日、劇作家協会新人戯曲賞の公開審査会が行われます。
この賞は、1995年に生まれ、1次審査から最終審査まで審査員はすべて劇作家という、劇作家が運営し、選ぶ戯曲賞です。
今回最終審査に残った6編から新人戯曲賞が選ばれるのですが、この公開審査会の仕組みが素晴らしいです。
これから応募したい方にとても為になるので、是非行かれるとよいかと思います。相手を知ることが大事ですからね。
12月15日(日)の公開審査会は
16:30 新人戯曲賞最終候補作プレビューリーディング(冒頭15分を紹介) (500円)
18:30 第25回劇作家協会新人戯曲賞公開審査会(1000円)
というプログラムで行われます。
候補作を知ることができ、審査員の意見や思いがよくわかるかと思います。
またこの候補作6編は1冊の本としてまとめ12月6日に出版されるので、読んでからお聞きになるとより勉強になります。
なにしろ、最終審査員7人は、坂手洋二、瀬戸山美咲、土田英生、渡辺えり、マキノノゾミ、佃典彦、篠原久美子さんの素晴らしい劇作家ばかりですから。
前日14日(土)にも
15:30「棘を持った短編戯曲」 「棘」を題材に公募した戯曲の中から選出された6作品をドラマリーディング。戯曲ブラッシュアップのトークセッション開催。(1000円)
18:30「この戯曲の〇〇がすごい!」「この戯曲のシチュエーションがすごい!」、「この戯曲のキャラがすごい!」の二部門を取り上げ、リーディング+トークで紹介。(1000円)
会場は、座・高円寺2
お問い合わせ・お申込みは、http://www.jpwa.org 03-5373-6923日本劇作家協会事務局