世界人権デー
シナリオ・センター代表の小林です。今日12月10日は世界人権デー。
世界を見渡すと、どれだけ人権が守られているのか、子供から大人まで様々な形で人権を無視されていることが増えているのが現状です。
グテーレス国連事務総長は、「私たちは人権に命を吹き込むうえで若者が果たす役割を讃えます」と若者たちが行動をしだしていることを高く評価し、「若者たちは、平和で公正、かつ機会均等な未来を得る権利を求めて、行進しているのです。
市民的権利、政治的権利、経済的権利、社会的権利、文化的権利を含め、あらゆる人があらゆる権利を当然に与えられています。
どこで暮らしているかに関係はありません。
また、人種や民族、宗教、社会的出自、ジェンダー、性的指向、政治的見解を含む意見、障害や所得、その他いかなる地位にも、それは関係ないのです。
今年の人権デーにあたり、私はすべての人に対し、人権を求めて立ち上がっている若者を支援し、守るよう呼びかけたいと思います。」と声明を出されました。
近年、ますます偏狭で独善的になりつつある日本はどうなのでしょう。
こういう機会に人としてどうあるべきか、考えてみたいと思います。
そういえば、ツイッターで「や・め・ま・せ・ん。辞めません。来週も300万強ボーナスで~る」と言って驚かせた衆議院議員に、せめて人権というものを自分の都合よくではなく、人はどうあるべきか、国会議員としてやるべきことはなんなのか、どう生きればいいのかをきちんと学んでいただきたいものです。
ま、この方だけの問題ではないですけれど、本当に国を司る人たちが低レベルすぎて、頑張っている若者たちに申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
中村哲医師の心
昨日、中村哲医師が、日本へ帰っていらっしゃいました。
アフガニスタンでは、ガニ大統領が「すべてのアフガン人は彼をアフガンの勇敢な男として記憶する」と追悼し、棺の先頭を担いで、見送ってくださいました。
成田には在日アフガン人60名余の方々が「中村先生の命を守れなかった。ごめんなさい」というメッセージや写真を持って出迎えてくれました。
上皇様は弔意をお出しになられ、皇后さまもご自分の誕生日メッセージに悲しみのお言葉を述べられました。国連も追悼メッセージを出しました。
でも、日本政府は、この「世界が誇る日本の民間人」へ迎えの飛行機も出さず、出迎えもしませんでした。
そして、彼を守ろうとして殺されたアフガンの方々へお礼どころか、お礼の言葉も出していません。
とても恥ずかしく悲しい国だなあと思います。いつからこんな国になってしまったのでしょうか。
「憲法は我々の理想です。理想は守るものじゃない。実行すべきものです。
この国は憲法をないがしろにしてきた。インド洋やイラクへの自衛隊派遣・・・。
国益のためなら武力行使もやむなし、それが正常な国家だなどと政治家は言う。
私はこの国に言いたい。憲法を実行せよ、と。」
「天皇陛下と同様、憲法九条がなくては日本だといえない。近代の歴史を背負う金字塔。
しかし同時に『お位牌』でもある。私も親類縁者がずいぶんと戦争で死にましたから、一時帰国し、墓参りに行くたびに思うんです。
平和憲法は戦闘員200万人、非戦闘員100万人、戦争で亡くなった約300万人の人々の位牌だ、と。」
「歩く日本憲法」と言われた中村哲医師が生前に残された言葉です。
実際に海外で、紛争の地で現地の人ともに活躍されたからこそ、戦争の放棄をうたった日本憲法の強みをよくお分かりになっていたわけです。
中村哲医師のご冥福をお祈りするとともに、天国から日本中に「喝!」を入れて欲しいと願ってしまいます。
今日はちょっとブルーな小林でした。