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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

刺激的

警視庁53教場 正義の翼(角川文庫刊)

冬ゼミ

シナリオ・センター代表の小林です。1月も終わっちゃいます。1月は、東京、大阪ともシナリオ作家養成講座の開講があるので、説明会だとか、大阪出張だとかでいつもバタバタなのですが、それに加えて新型コロナウイルス騒ぎにあっという間に過ぎてしまいました。ヤレヤレです。
2月、暦の上では節分、立春と新しい年の始まりです。
もう一度仕切り直して、新たな気持ちで2月へと向かいたいと思います。

今日はスペシャルゼミ「冬ゼミ」。
シナリオ・センターのゼミナールクラス(本科・研修科・作家集団)毎週1回の授業ですが、1月・8月・12月は、年末年始と夏休みがあり、月3回授業となっています。
でも、もっと頑張りたい方のために、本科、研修科、作家集団まぜこぜのスペシャルゼミを行っています。夏ゼミで好評だったので冬ゼミも開催しました。
「まぜこぜ」が売りです。
初めたばかりの本科の方から作家集団のベテランまで本当のまぜこぜ。同じ科だって、経験値が皆さん違いますし、講師も上級クラスの講師だったり、基礎科の講師だったり、通信講師だったり、担当とは違う講師との出会いも刺激的で楽しいゼミです。
私の口癖のようになっていますが、人はみな違うので、作品を見る目だって講師一人一人が違うので、普段のゼミとはまた違った見方を経験できたのではないかと思います。
「違いがわかる男」とかいうコマーシャルが昔ありましたが、人はみんな違うんだっていうことわかることって案外難しい。
だから、まぜこぜゼミ、いいと思います。色々な人と出会って楽しんでください。

警視庁53教場 正義の翼

出身ライターの吉川英梨さんの警視庁53教場シリーズの第4巻がでました。
「警視庁53教場シリーズ 正義の翼」(角川文庫刊)です。
吉川さんは、「警視庁53教場」シリーズのほかに、「警部補・原麻希」シリーズ、「新東京水上警察」シリーズ、「十三階」シリーズと警察物のシリーズをたくさん書かれていらっしゃいます。

「53教場」は特に人気シリーズで、警察学校を舞台にしたお話です。
お正月にキムタク主演の「教場」が放映されましたが、舞台は同じく警察学校なのですが、全く違うのです。
吉川さんの小説は、主役の五味京介を始め登場人物の造詣が深く、元捜査一課の敏腕刑事の五味が四苦八苦しながら警察官の卵を育てていくお話だけではなく、登場人物それぞれが持つ個人的なお話を交差させながら、スーパーマンでない主人公の苦悩と成長を描いている毎回楽しみな小説なのです。
4巻はものすごいことになって、今までは無事に警察学校を卒業させ、一人前の警察官として育てていくのですけれど・・・あ、ネタばれになるのでお話の内容はかきませんが、登場人物が一筋縄ではないのです。
五味は妻を亡くして、愛する娘を男手ひとりで育てているのですが、この娘は妻の連れ子で、しかも同僚の高杉の娘ということのほか複雑な人間関係。
個人的な葛藤もあり、仕事的な葛藤もあり、絡む人々の軋轢、対立、葛藤、そこにもちろん様々な事件が起こり、謎解きとすさまじいほど巧妙にかつ重厚な作りになっていて読み応えのあるお話です。

昨日も書きましたが、次から次へと主人公を困らせていくこと(葛藤させる)がドラマの面白さなのですが、まさに吉川さんの小説はこれでもか、これでもかと迫ってきます。(笑)
本当にうまい!たくさんのシリーズを抱えていらっしゃるだけあるなぁと感心してしまいます。
始めてお読みになる方は、もちろんこれだけで十分楽しめるのですが、第1巻からお読みなると主人公五味のキャラクターと成長がわかり、より一層美味しさが増すと思います。

吉川さん、2月には新宿2丁目を舞台にした警察小説、3月には秘境の山村の連続殺人の警察小説、夏には海上保安庁の物語、「十三階」シリーズ4の連載が始まり、秋には「新東京水上警察」シリーズ5、その後に「警部補・原麻希」シリーズ12を発売されるのだそうです。
この筆力にも驚かされますが、これだけ書きながらのクオリティの高さを保っている、いや上げていく創造力に圧倒されてしまいます。
吉川恵梨さんから、たくさん刺激をいただきましょう。

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