「シナリオを書きたいけど、もう何かを始める“年齢”じゃないし……」と思われているかた。諦める前に、今回ご紹介する小泉理恵子さん(作家集団)のコメントをお読みください。人生に遅いはない、とアナタの背中を押してくれますよ。
小泉さんは2014年、『宣誓』という作品で第14回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞 優秀賞を受賞され、 “最高齢受賞”として当時話題になりました。
そして今年、小泉さんの『カブト虫』が令和元年度橋田賞新人脚本賞 佳作を受賞。応募総数157作品の中から選出されました。
「やりたい事が見つかった時が適齢期!人生に遅いは無い!」と仰る小泉さんに、受賞作のことや、脚本コンクールの応募作を書く上で大切なことをお聞きしましたので、参考にしてください。
なお、『月刊シナリオ教室 2020年8月号』(7月末発行)に、小泉さんのインタビューと受賞作『カブト虫』のシナリオを掲載予定です。こちらのブログと併せてご覧ください。
「遠回りしたぶん、経験という力を貰えます」
――橋田賞新人脚本賞佳作を受賞して
〇小泉さん:「やりたい事が見つかった時が適齢期!人生に遅いは無い!」
これは、2人の娘が独立してからシナリオの勉強を始めた私が、2014年にテレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞で結果を出せた時に思ったことですが、今回の受賞でも改めて確信しました。
また、この言葉を、最近美術展を開催された50代の音楽系アーティストさんの有料生放送に投稿したところ、とても共感していただけました。その方も絵を始めるのが遅かったと思っていらしたのかも知れませんが、何かを始めたり長く続けるのに“遅い”は無いです。
シナリオに関しては、遠回りしたぶん経験という力を貰えますので。
私のこの年齢での受賞が、頑張っている方を励ますことになったり、何かを始めようとしている方の背中を押すことになったらこんなに嬉しいことは有りません。
――受賞作『カブト虫』について
〇小泉さん:きっかけは、2人の友人から「音信不通だった元夫の両親が孫に会わせて欲しいと言って来た」と聞いたことです。
50歳の私なら「大変な時に助けもしないで何を今さら!」と思ったのでしょうが、この年齢(67歳)になると、他に自分の血を引いた孫がいなかったら「土下座でも何でもするから一目会いたい!」という心情がわかり、これをテーマに書いてみようと思いました。
作品は等身大の話なので、特に悩むことも無く今までで1番スムーズに書けました。
「1時間ものは、20枚シナリオが書ければ必ず書けます」
――コンクール応募作を書く上で大切なこと
〇小泉さん:発想や設定が大事だと思っています。
テーマはシナリオ・センターで教えていただいた、「何の話なのか」を3行ストーリーで言えるものであること。
ページ数が足りなくて書き足すと、どうしても薄くなります。ページ数がオーバーして本筋から外れるものを削除するくらいで丁度良いと思います。
だから特に最近、私は「1時間で収まるの?」というくらい書き込んで有ります。
――「コンクールで賞をとりたい!」というかたへメッセージ
〇小泉さん:私は20枚シナリオの方が、1時間ものを書くより難しいと思っています。20枚シナリオが書ければ必ず書けます。
ヒントは案外身近な所にありますので、自分なりの視点を大事にして欲しいです。
そして一番大事なのは、諦めないこと。みなさんが私の最高齢受賞年齢を越えるまでには沢山の時間が有りますので(笑)。
※橋田賞新人脚本賞についてはこちらの記事もご覧ください。
・平成30年度橋田賞新人脚本賞受賞者:いとう菜のはさんと三谷武史さんのコメントはこちらから
・平成29年度橋田賞新人脚本賞受賞者:菊地勝利さんのコメントはこちらから
※小泉さんが第14回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞で優秀賞を受賞された際の記事「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞、大賞優秀作おふたり受賞!」はこちらからご覧ください。