黒い雨
シナリオ・センター代表の小林です。今日は8月6日です。広島に原爆が落とされた日です。9日は長崎に。
この日は、日本のみならず世界中の人が、人類が味わったことのない恐ろしい真実を、犠牲になった広島、長崎の人々を、誰もが決して眼をそむけてはいけない、忘れてはいけないことなのです。
先日、この日を知らない若者が増えているとのニュースを見て唖然としました。大人がきちんと伝えていかなくてはいけない、一番大事なことを伝えていけていないとしたら、それは未来を閉ざすことに他なりません。
私たちは、75年目の今、今一度心に刻み込み、様々な形で伝えていかなくてはと思います。
今年も、松井一実市長は平和宣言で、日本政府に「世界中の人々が被爆地ヒロシマの心に共感し『連帯』するよう訴えていただきたい」と要請し、核兵器禁止条約の批准を求めました。
唯一の被爆国ありながら、日本は核兵器禁止条約の批准も署名もしていないのです。
去年、広島を訪れたローマ教皇は「平和と繁栄を築くためにはすべての人々が最も強力で破壊的な兵器である核兵器を廃棄しなければならないことはかつてないほど明らかです」とメッセージを寄せられたそうです。
先日75年経ってやっと、「黒い雨」訴訟に決着がつきました。被爆証明がやっともらえるのです。
「黒い雨」は井伏鱒二さんの小説で描かれていますが、広島への原爆投下後、放射性物質を含んだ黒煙が巻き上がり、空気中の水滴と混じって地上に降ったのが「黒い雨」です。
この雨を浴び、健康障害に苦しみながら、国の指定から外れているとして、これまで「被爆者」と認められなかった人たちがいらっしゃったのです。
やっと勝訴したものの、原告の方々の平均年齢は83.31歳になってしまいました。
75年も塗炭の苦しみを続けられてきた方、亡くなられた方を想うと、国が起こした戦争のために、市井の人々が苦しみ続けているという事実を、すべての人々が知っているべきだと思います。
色々なご意見はあるかと思いますが、75年経った今も沖縄から日本中各地で戦争の傷を背負っていらっしゃる方々がいらっしゃること、その記憶を、真実を戦争を知らない私たちが受け止め、伝えていかなくてはならないと私は思っています。
明日から各地で五藤監督の「おかあさんの被爆ピアノ」は上映されます。被爆したピアノを通して、原爆を戦争の悲惨さを描いたものです。是非、ご覧ください。
zoomゼミ
8月は、通学ではなくzoomゼミで行わさせていただいています。
6月もzoomゼミで行っていたので、慣れていらっしゃる方々がほとんどなのですが、8月から入科された方も多く、ちょっとzoomに入るのに苦労されたりしています。
でも、大丈夫です。スタッフがちゃんと参加できるように、やり方をお教えていますので、よくわからなくても、参加できます。
私が驚くほど、スタッフは懇切丁寧にお教えしていますので、苦手だなと思われる方も、気にせずになんでも聞いてくださいね。電話もOKです。
スタッフもつながると、画面の向こうと一緒に「わあわあ、きゃあきゃあ」大喜びするので、事務局は大賑わい。zoomゼミ担当ではないそばで仕事しているスタッフも思わずニコニコしてしまいます。
とくに、今日木曜日はクラスも多く、研修科に入科される方がたくさんいらっしゃるので、講座担当だったチューターの青木も、画面をのぞいて、手を振ったり、お声掛けしたり。画面上でのつながりなのですが、臨場感たっぷりで、リアルとはまた違った面白さがあるのだと思いました。
新しいことをするのは戸惑いもありますが、少しずつでも馴れていくことで、今まで知らなかった世界や、感じられなかったことも増えていきます。
私自身は超アナログなのですが、デジタルはデジタルのよさを、アナログはアナログの良さを取り入れながら、コロナ対策に、また収束以降の在り方などを考えていこうと思っています。
オンライン講座で、通学ではお会いできなかった遠方の方の添削などをさせていただいていると、日本中、世界中と繋がっている、その分想像力も広がっていく感じがしています。
「日本中の人にシナリオを描いてもらいたい」シナリオ・センターの想いは、コロナのおかげで、あちらこちらに届きだしているのかもしれないと、ちょっと嬉しい気持ちになっています。
シナリオ・センターは来週から1週間、夏休みとなります。
例年ならお盆に帰省される方も、今年は我慢される方が多いようですね。今日は東京360人の感染者、小池都知事から帰省の自粛のお願いが出ました。
センターのスタッフも「帰ってこなくていい」とご実家から言われて、帰らないとか。
ご家族と会えないことは寂しいことですが、いつもと違うことをやろうとポジティブにとらえて、なにかやったことのないことに挑戦するというのもありかもしれませんね。