寺子屋
シナリオ・センター代表の小林です。東京は冷たい雨が降って、最高気温も20度台にはいかないようです。
ここ数年、熱中症になってしまうほどの暑い夏と秋も感じないまま突然来ちゃう寒い冬という、あまり四季を感じられない日本なってしまったようで寂しい。
今日の東京感染者数78名ですが、今が2次だとしたら、4・5月の自粛時より感染者は多いのではないでしょうか。
ヨーロッパやアメリカもまた感染者が増えているとのことで、新たな制限措置に動いているとの話で、まだまだ先も読めない、予断も許せない状況です。
私たちも気が緩まないようにしなくてはいけませんね、急に寒くなると風邪もひきやすくなりますから、くれぐれもご油断召されませんように。
土曜日に杉並のお寺で行っている寺子屋のお手伝いに行ってきました。
小学生が集まって、午前中勉強をして、ランチを食べて、ちょっと遊んでというものなのですが、コロナ禍で定員も減らされて、食事にも気をつかわなくてはいけず、なかなか運営も難しいものがあります。
コロナ禍では、今までのように子供たちとワイワイやりながら、一緒に食事を作るということもできず、調理場も使用しないで、ホットプレートでできるものと決められていました。食事もみんなでおしゃべりしながらではなく、テーブルに一人か二人で食べる形で、仕方がないとはいえ、ちょっと寂しい。
食事が美味しく感じられるのは、楽しく食べる雰囲気が大事です。ただ食べりゃいいってもんでもない。
それでも子供は元気ですが、大人だってウツウツしちゃう昨今、心が蝕まれていくような気がして、なにかできないかなと思っています。
他人(ひと)のこと、お友達のことを想像しながら、シナリオを描いたらどうかな、自分の気持ちを素直に出せるかな、楽しくできるかなあと考えながら子供を見ていました。
寺子屋Ⅱ
シナリオ・センターは、20枚シナリオが特徴です。
基礎講座が終わってから進級していただく本科というゼミナールでは、課題を20本書きますが、その中に「マッチ」という課題があります。
私は、オリエンテーションなどで、課題についてお話をしています。
課題は、面倒だと思われがちですが、課題そのものにも意味があり、大きなポイントは、課題があるとそこから発想が広がるということです。
「なんかいいネタはないかな?」と漠然して探すよりも、「マッチ」を描けって?」「マッチってなんだ?」「マッチにどんな使い方があるんだ?」など色々考えます。
課題が頭にあると、今まで気が付かないことにも目がいったりする、アンテナが動き出すものです。
「マッチ」の課題、この間も書きましたが受講生の方にすこぶる評判が悪い。(笑)
今ほとんど使われていないというのが大きなネックなのですが、だからこそ書いてもらいたいのです。
なので、どうすればわかっていただけるだろうかと私の頭の片隅にいつも「マッチ」が横たわっている次第です。(汗)
するとどうでしょう。数日前の新聞にマッチの話が出ていました。
消費者運動の始まりは、なんと「マッチ」でした。
1948年、今から72年前、粗悪なマッチに怒った主婦が「燃えないマッチを持ちよる会」を初め、粗悪品を使わねばならない苦労を訴え、責任を追及したことからなのだそうです。「え~、マッチくらいでなんで怒ったの?」と思われるかもしれませんが、戦後すぐはマッチは生活必需品。マッチで火を起こさなければ1日は始まらなかった、生活ができなかった時代です。
しかも1日一人当たりわずか数本の計算で配給されていたマッチです。数本しかないのに折れたり、火薬がついていない粗悪品だったら、怒りに火が付くのは当たり前。
そんな時代背景があって「マッチ」から消費者運動を起きたということ、消費者運動がうまれたということまで知ることができました。
不良マッチ追放主婦大会の場所は、なんと原宿だそうで、これもまたご縁を感じます。
アンテナって、何もないと動かないのですが、ちょっとしたきっかけがあれば、フル回転するものです。
マッチが消費者運動のきっかけなどとは、ほとんどの方はご存じなかったと思います。私もびっくりしましたが、消費者運動を始めたのは、子どもをおんぶしながら運動を進めた主婦奥むめおさん。彼女は国会議員にもなられるのですが、マッチから火が付いた運動という視点で調べてみたい気になりました。
基礎講座の、本科の、研修科の課題を発想のもとにして、あなたのアンテナをフル回転させてみてください。
シナリオのネタ探し、きっと面白いものがひっかかってきます。