誰かと

シナリオ・センター代表の小林です。花曇りの本日は、東京は23区6市に「まん延防止など重点措置」を出すとか。
「増えています、大変だ！」しか言わないお上たちに、「それがなにか？」という感じになってしまっている私たち、具体的な策を出してくれないと動けません。
「昼も夜も外出は自粛して、お店は早く締めてね」と、国民に「我慢してね」としかいえないのなら、一番効果的なのは、即刻オリンピックを中止することだと思うのです。
あんなに何があってもやるといっていたオリンピックを中止するぐらい大変なら仕方ないよねって思うんじゃないかしら。甘いかな？
あまりにもここ十年以上嘘ばかりつかれていると、なにを信じて、誰が信用できるのかもわからなくなってしまいましたものね。
でも、こういう時こそ、私たちは「表現する」という武器を使って、自分の想いを伝えていかなくちゃと思います。

本日、4月シナリオ8週間講座開講です。
通学、オンラインと併用ですが、4月の金曜日だというのに、驚くほど多くの方が受講してくださいました。
2月シナリオ8週間講座の時は、圧倒的にオンライン受講が多く、通学の方は2割ほどでしたが、今回は昼の部は半半、夜の部は70％近くが通学の方という感じで、通学の制限定員いっぱいとなり、びっくりしています。
心理学者の方がオンラインになってから雑談ができなくなってしまって、心のゆとりが減っていると雑談の大切さを説いていらして、確かに恋バナ、冗談、たわいのないバカ話や噂話が、画面通して盛り上がるのは難しそうです。
ふと、東日本大震災の時に一番したいものは、恋バナ、たわいのないバカ話と被災地の方がおっしゃっていたことを思い出しまた。
こういう時だからこそ、オンラインを通じても、そんな雑談ができるようにやってみたいなぁと思っています。
どんなところからでも、表現する技術を武器に持ったら、なんでもできる気がします。

パークビューライフ

出身ライターの岡田恵和さんのお芝居を観てきました。
「パークビューライフ」世田谷パブリックシアターで7日から18日まで上演しています。
この後4/23・25大阪サンケイホールブルーゼ、5/1・2ウインクあいち大ホールで上演されます。

4人だけのお芝居で、風間俊介さんと倉科カナさん、中川翔子さん、前田亜季さんの3人の女優さんが、引きこもりの男性と瀬戸内海の小さな島で幼馴染として育った3人の女性としてお芝居を繰り広げます。

お話は、新宿御苑前に立つモダンなヴィンテージマンションが舞台。
屋上庭園のある最上階の部屋に、こっそり忍び込む望、玉枝、香苗の3人。
コロナ禍で仕事を失って、住むところもなく故郷へ帰らねばならなくなった東京最後の夜。
望が通勤時に前を通るマンションの屋上に行ってみたいと言い出し、非常階段でこっそり上がってくる。
ところが屋上庭園にいくには、最上階に住んでいる成瀬洋の部屋の中に入らなければならなかった。
他人の家と知りながらも夜景を確かめたくて部屋に入る3人、住人の成瀬と遭遇し・・・。
成瀬は、友達もなく定職にもつかず一人絵を描くだけの生活をしている男。
自分自身で頑張ってきた3人ことがまぶしくて、この出会いに運命を感じ、彼は一世一代に勇気を振り絞って、「僕と一緒に暮しませんか」と提案する。
「のぞみ、たまえ、かなえ、よう」の運命の生活が始まります。（笑）

岡田さんらしい、ちょっと普通でない、ありえないけれどありえそうな設定ですが、この4人のキャラが織り成す会話が、そう、あの岡田ワールド炸裂で最高なんです。
リーダー的にふるまう優等生タイプの望、島では変人と思われている香苗、3人娘の中ではツッコミの超普通の人玉枝。
なにかというと円陣組んで相談し、あっちにぶつかりこっちに脱線し、泣いたり、笑ったり、辛いけど楽しい幸せな会話が繰り広げられるのですが、どんな会話って、実は、全編雑談（？）なんです。・・・って、言ってしまっていいでしょうか岡田さん？（笑）
岡田さんならではの世界。「にじいろカルテ」の主人公の真空、外科医の朔、看護師の太陽の関係、会話にも通じます。
すごくないですか。雑談の中で、人としての生き方が見える、他人との関係を考える、それぞれが自分を知っていくっていうお話しができるって。
観終わって、舞台の上の4人のやさしい関係に心が満たされ、4人のおかしな雑談に癒された、その仲間だった私がいました。