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書けるような気がするのに書けないとき

「書けるような気がするのに、いざ書こうとすると書けない……」とお悩みでしたら、右脳を意識、です。右脳と創作の関係について新井一が解説いたします。

シナリオ・センター創設者・新井一は、『シナリオの基礎技術』『シナリオの技術』などシナリオの書き方に関する書籍をいくつも執筆しています。また、『月刊シナリオ教室』でも連載ページをもち、シナリオの技術を解説していました。その記事は、いま読んでも全く色褪せていません。

そこで、当時の記事を皆さんにご紹介。「シナリオってどう書くの?」という初心者の方も、「一度学んだけど、忘れちゃった…」という方も、これを読めばシナリオ作りが一層はかどります!

右脳は直感的で芸術的

「先生の話(講義)を聞いていますと、すぐにシナリオが書けるような気がしますが、帰って、いざ書こうとするとなかなか出来ないんです」と恨めし気におっしゃる方がいます。

ハタと思い当たったことは、大脳生理学です。

人間の脳は右脳と左脳で働きが違うのだという説です。左脳ではもっぱら理論的な組み立てを考えるのが得意で、右脳は直感的で芸術的というか創作に適しているのだそうです。だから創作には右脳を使えと言うのです。シナリオも視覚と情感の創作ですから、もちろん右脳の活躍の場です。

ところが、私の話は理論ですから(それほどのものでもありませんが)、左脳で理解をするわけです。だから分かった気がするのですが、書くときは右脳ですから、なかなか話通りにはいかないのです。

よく、「書いて書いて書きまくれ」と言いますが、教えようがわからないから、そんな原稿用紙屋さんを喜ばせるような無責任なことを言うのです。

書くときはスイッチを切り替える

左脳の理屈で理解したことを、右脳の表現につなげればいい訳です。左脳から右脳への橋渡しをする技術を使えばいいのです。そのためには切り替えスイッチを使うのです。

ちょっと周囲を見回してください。企業では、「シナリオライティング」という考え方で説明しています。

例えば、堺屋太一氏は、石油の輸入がストップしたらどうなるか、当時官僚でしたから、豊富な統計で理論を駆使して説明するのが普通ですが、彼は小説『油断』を書いて、アピールしたのです。つまり左脳から右脳です。

『日本経済』というむずかしい本を、石ノ森章太郎氏は漫画で描いてベストセラーになりました。それらを真似するものが、今はあとを絶ちません。聴く読書として販売しているテープは、耳から右脳に直しているのです。俳句を作るにも右脳を使えと、当然ですが言われています。

基礎技術の初期の課題で「迷っている人」というのがありますが、私は迷わずにまず「天・地・人」を考えろと申し上げています。シーンを書き始めて芝居が出来ないのなら、あなたはシーンの舞台装置を十分に考えていないからです。その考え方が右脳作法です。

出典:『月刊シナリオ教室』1988年3月号「新井一 巻頭言」/2019年11月号「新井一.com」

「シナリオは、だれでもうまくなれます」

今回の記事をご覧になって「ちょっとシナリオ、書いてみたいな…」と思われたかた、是非お気軽にご参加ください。
「基礎さえしっかりしていれば、いま書いているライターぐらいには到達することは可能です」と、新井一は言っています。
“最初の一歩”として、各講座に向けた体験ワークショップもオススメです。

※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、オンライン受講も可能です。
詳しくは講座のページへ

シナリオ作家養成講座(6ヶ月)

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